<中央大中学>不正入試 理事長知人の孫、合格後取り消し
毎日新聞 2012年9月26日(水)11時47分配信
中央大学横浜山手中学校(横浜市中区)が今年2月の入試で大学理事長の知人の孫を不正合格させ、大学学長の指摘で3月に合格を取り消していたことが、神奈川県への報告で分かった。受験生側との金銭授受や口利きは否定しているという。県は大学からの最終報告を待って、補助金の一部不交付なども含め対応を検討する。
県によると、大学から3月に最初の報告があった。中学校長や大学理事長に直接確認したところ、理事長が中央大評議員を務める知人に会った際、「うちの孫が(横浜山手中を)受験するのでよろしく頼む」と言われ、その趣旨を校長に伝えたと説明したという。
2月初めの入試で、知人の孫の受験生は合格ラインを下回ったが、校長は合格させた。その後、不正を知った学長から「不合格にさせるべきだ」と指摘を受け、3月1日付で合格を取り消した。
県によると、理事長らは県に報告した際、「大変な問題を起こした。受験生らに謝罪したい」と説明したという。県は「入学者選抜は校長の権限だが、一旦合格としたのを不合格にするのは適当ではない」としている。
同中学校は中高一貫校として、横浜山手女子学園と10年に統合、設立。来年4月に中央大付属横浜中学・高校として横浜市都筑区に移転する予定。中学校は取材に対して「対応について校長らが大学側と協議している。今の段階で何もお答えできない」としている。
中央大は26日午後にも理事長らによる記者会見を予定しており、同大広報室は「現段階ではお話しできない。午後の会見で説明したい」とコメントした。【北川仁士、松倉佑輔】