家庭の悩みに注意 浜松市教委、不祥事対策を指示
@S[アットエス] by 静岡新聞 2014年1月15日(水)7時42分配信
浜松市教委は14日、児玉一記教育長の就任後初の校長・園長会を同市北区の市教育会館で開き、不祥事対策を指示した。政令市に移行した2007年4月から13年12月末までに懲戒処分にした教諭・講師12人について分析した結果、ほとんどが家庭内に何らかの問題を抱えていたとして、「特に40歳以降の悩みのサインを見逃さないよう注意が必要」(教職員課)と指摘した。
不祥事を起こした教職員の家庭状況を調べると、自分の子どもの養育や親の介護、配偶者との不仲、借金などの問題を抱えていたという。教職員課の担当者は「直接的な原因とはいえないが、管理職はプライバシーまで話し合える人間関係を築くことが重要」と話した。
勤務実績や職場の人間関係が良好な教職員であっても不祥事を起こしていることから、「職員への過度な信頼が重要なサインを見逃すことにならないように」とも求めた。
年齢別では50代が6人と最も多く、うち4人の不祥事が13年度に集中した。世代単位の総数から割り出した処分率は40代が0・48%で最多、50代が0・41%で続いた。
市教委は13年度に非常勤職員を含む5人の逮捕が相次いだため、不祥事の背景や職員の属性、職場での評価などを分析した。懲戒処分のうち最も多いのが盗撮や児童買春などのわいせつ行為で5件。万引と酒気帯び運転が各2件、、死亡交通事故、が各1件だった。
「責任感再認識を」 浜松市教育長訓示
児玉一記浜松市教育長は14日の校長・園長会で、「教職に就いた時の使命感・責任感を思い出し、自分に照らし合わせてほしい」と記した年頭メッセージを配布し、「全市にこだまするよう、今週中に各学校で全教職員に肉声で伝えてほしい」と教職の責任感を再認識するよう訴えた。
「不祥事の根絶は喫緊の課題の一つ」と述べ、今年を「信頼回復元年」に位置づけると訓示した。学校と市教委が一体となって信頼回復に努めるよう求め、約200人の校長、園長に「家族間や夫婦間の悩み、仕事上のトラブルを一緒になって考える職員室の土壌づくりが必要」と強調した。
「最近表情がきつくなっていませんか」とも語り掛け、きつい、怖い、険しいの「校長先生の表情3K」を避けて職員に明るく接するよう呼び掛けた。
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