女子中学生死亡2週間・学校の責任、明確に 天童市教委、組織的問題調査へ
山形新聞 2014年1月22日(水)8時57分配信
天童市南小畑5丁目のJR奥羽本線で7日、市内の中学1年の女子生徒(12)が山形新幹線つばさにはねられ死亡した事故は、21日で発生から2週間が経過した。女子生徒が通う学校は当初、「この生徒へのいじめは確認できていない」としていたが、その後に本人が友人関係の不安を訴えていたことが明らかになり、100人以上の生徒がいじめを認識していた状況が浮かび上がるなど、次第に学校の責任が明確になってきた。同市教委は▽女子生徒が死亡した背景▽校内でいじめを発見できなかった理由▽情報が共有されなかった組織的な問題―に着目し、調査を進める。
市教委と同校の説明によると、学校がいじめの兆候をつかむ機会は少なくとも3度あった。部活動での孤立を心配した母親が昨年6月と7月、学校に相談。さらに、9月には女子生徒が校内調査で友人関係の不安を訴えた。それぞれの場面で担任や部活の顧問が状況を確認したが、部活について、本人は「楽しい」と答え、友人関係は「自分で解決したい」と語ったという。
■情報共有されず
こうした情報は今回の事故が発生するまで校長に報告されず、校内で共有されなかったとみられる。昨年9月の調査で、女子生徒は友人関係の不安を5段階評価で上から2番目の「レベル4」としていたが、10月は「2」、11月は「3」、12月は「1」に低下した。学校は問題が沈静化したと捉えたが、女子生徒が次第に口を閉ざしていった可能性もある。
事故を受けて20日に開かれた市議会総務教育常任委員会で、市教委の元木満学校教育課長は「自己評価のレベルが下がったこと、本人が『大丈夫』と答えたことで、継続的な指導につながらず、いじめを発見できなかった」と学校対応の不備を認めた。水戸部知之教育長は「(不安を)我慢して自分の中に押し込んでしまった時に、(生徒の)心の中に入るべきだった」との後悔を口にした。
■教職員記載なし
学校の教職員約40人を対象にしたアンケートでは、女子生徒の様子を心配する回答は複数あったが、いじめに関する記載は伝聞も含めて1件もなかった。
学校全体でいじめの問題を共有して解決する意識があったかどうかについて、市教委は20日の常任委が終了した後、報道陣に「意識はあったと思うが、結果的に情報が上がってこないということは、組織の中に問題があったと考えられる」との認識を示した。今後、教職員から個別に聞き取りを行い、実態解明を急ぐ。
【女子生徒死亡をめぐる主な経過】
2013年
6月 母親が「部活動で独りになっていないか」と学校に相談
7月 担任との2者面談で母親が「部活での様子を見守ってほしい」と要望
9月 校内調査で女子生徒が友人関係の不安を訴える
2014年
1月7日 山形新幹線つばさにはねられ死亡。身元は確認されていなかったが、市教委と校長が記者会見し「(行方が分からなかった女子生徒について)これまでの学校生活に問題はなく、いじめも確認されていない」
8日 県警がDNA鑑定で身元確認。校長が全校集会で事故を報告
9日 全学年対象の緊急保護者会開催
13日 自宅を訪れた校長に父親が「いじめがあったと聞いた」と調査を要望
14日 父親が全校集会に出席、生徒に真相解明への協力を訴える
15日 いじめについて記述したノートが生徒宅にあったことを市教委が確認。全生徒対象にアンケートを行い、100人以上の生徒が「いじめ認識」と回答
16日 遺族に結果を報告
17日 教職員にアンケートを実施、いじめの記載はなかったが、不安な様子について複数が回答
20日 市議会総務教育常任委で、市教委が学校対応の不備を認め、水戸部知之教育長が陳謝