「自殺練習」有力目撃なし 大津いじめ、県警聞き取り

「自殺練習」有力目撃なし 大津いじめ、県警聞き取り 
京都新聞 2012年9月2日(日)9時29分配信

 大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、生徒が同級生から受けたとされるいじめのうち、「自殺の練習」の強要について、滋賀県警が在校生に聞き取りを行った結果、有力な目撃証言がなかったことが1日、捜査関係者への取材で分かった。県警は同日からいじめていたとされる同級生への事情聴取を開始し、こうしたいじめとの関連が不明瞭な複数の行為について事実の有無を最終確認する方針。
 県警は1日、生徒をいじめていたとされる同級生3人のうち2人から事情聴取を行った。残る1人からも今後、聴取する。
 亡くなった男子生徒が「自殺の練習をさせられていた」という指摘は、全校アンケートの中で16人がいずれも「伝聞情報」として回答していた。7月上旬にこのアンケート内容が報道され、いじめ問題で大津市教委や学校の対応が非難されるきっかけとなった。
 捜査関係者によると、県警が、男子生徒と同学年だった約300人への聞き取りを行った結果、「生徒が自殺の練習を無理やりさせられている場面を見た」という在校生はいなかった。
 また、校舎の窓から身を乗り出すよう同級生から要求され、男子生徒が拒否するのを目撃した在校生はいたが、強要容疑を裏付ける証言はなかったという。
 県警は今後、複数の目撃証言がある体育大会での暴行容疑についても同級生から事情聴取を行い、裏付けを進める方針。
 遺族が提訴した民事訴訟で同級生側は「遊びの範囲」といじめを否定している。

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