<徳島大病院>元部長で慶大大学院准教授を収賄容疑で逮捕
毎日新聞 2014年12月11日 19時12分配信
◇情報システム業務巡り現金54万円 大阪地検特捜部捜査
徳島大病院(徳島市)が発注した情報システム業務を巡り、受注業者に便宜を図った見返りに現金54万円を受け取ったとして、大阪地検特捜部は11日、徳島大病院の元病院情報センター部長で、慶応大大学院准教授の森川富昭容疑者(45)=東京都港区=を収賄の疑いで逮捕した。コンピューターシステム開発会社「ダンテック」(兵庫県明石市)の元代表取締役、高橋徹被告(50)=競売入札妨害罪で起訴=も贈賄容疑で再逮捕した。
森川容疑者の逮捕容疑は、徳島大病院の部長だった2012年1月17日ごろ、病院発注の情報システム業務をダンテックが受注できるよう便宜を図る見返りに、徳島市内で高橋容疑者から54万円を受け取ったとしている。特捜部は2人の認否を明らかにしていない。
特捜部によると、09年から12年3月まで徳島大病院の部長だった森川容疑者は情報システム業務委託のための入札や随意契約を担当していた。09年6月から12年3月の発注分の一部でダンテックとの癒着が疑われるという。特捜部はこの日、関係先を家宅捜索した。
一方、ダンテックは09〜12年度、情報システム業務などで徳島大病院と複数の随意契約を結んでいた。大学のホームページによると、入札でも少なくとも6件(総額約7800万円)を落札している。
特捜部は先月、国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)の情報システム業務を巡る官製談合事件で、国循の元情報統括部長(47)と高橋容疑者を官製談合防止法違反などの疑いで逮捕し、今月8日に2人を起訴した。【高瀬浩平、原田啓之】