「淫行」にあたる行為禁止盛り込みへ 子供の性被害防止の条例検討会 長野

「淫行」にあたる行為禁止盛り込みへ 子供の性被害防止の条例検討会 長野
産経新聞 2015年5月9日(土)7時55分配信

 子供を性被害から守るための条例制定について、県民の判断材料となる条例モデルの作成に向けた県の有識者検討会(座長・安部哲夫独協大法学部教授)は8日、第3回会合を県庁で開いた。この中で、条例で処罰対象となる性被害の定義について、子供の未熟さや不安定さにつけ込んだ大人の性行動から生じる直接的な被害のほか、心身の成長を阻害する性的乱用行為も含まれることを確認。条例モデルに「淫行」にあたる行為の禁止と深夜外出の制限を盛り込むことで一致した。

 会合には4人の委員全員が出席。条例モデルの目的や構成、禁止する「淫行」の記述などを検討課題として議論が行われ、守るべき子供は18歳未満とし、罰則の適用対象外とすることなどを確認した。

 焦点の淫行禁止規定については、昭和60年に示された最高裁判例を類型化して記述した山口県や大阪府の条例を参考に、構成要件の明確化を図る必要があるとの認識で一致。あいまいさが指摘される「淫行」という表現は使わず、「青少年を威迫し、欺罔(ぎもう)し、または困惑等させて(中略)性行為またはわいせつな行為を行うこと」などの表現で、これらの行為を禁ずる規定にすることとした。

 また、深夜外出の制限では、保護者の同意などがなく、子供を深夜に連れ出したり同伴したりした場合に罰則規定を設けるかどうかをめぐって議論。県警が公表した平成25年から26年の2年間に現行法で摘発できなかったものの、淫行処罰条例があれば行為者を処罰できたとする17件20人の性被害事例の約半数が、深夜の連れ出しによるものであることなどから、罰則を設けることとした。

 安部座長は会合終了後、「子供の成長発達を見守り、それを害する行為を禁じる条例モデルとすることが今回の議論で確認できた」と述べ、県独自の条例モデル作成に改めて意欲を示した。

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