教員不祥事根絶へ研修強化 埼玉県教委がプログラム策定も前日に逮捕者…先行き懸念

教員不祥事根絶へ研修強化 埼玉県教委がプログラム策定も前日に逮捕者…先行き懸念
産経新聞 2018/7/21(土) 7:55配信

 後を絶たない教員の不祥事根絶を目指して県教育委員会は20日、「不祥事根絶アクションプログラム」を策定したと発表した。不祥事に関する研修をベテラン教員にも拡大することや採用前の倫理観の確立などを盛り込んだ。ただ、されており、プログラム策定の発表直前の不祥事発覚で先行きが危ぶまれる。 (川上響)

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 小松弥生教育長は20日の定例会見の冒頭、飯能署に逮捕された事件について、「学校教育に対する信頼を著しく損なうもので残念。おわび申し上げる」と謝罪した。不祥事根絶のプログラム策定の発表がメインの定例会見だっただけに後味の悪さを残した。

 県教委によると、今年行った懲戒処分は6件あり、免職となったケースは3件だった。懲戒処分の理由別では「わいせつ行為など」が半数の3件を占めた。

 不祥事が後を絶たない理由について、小松教育長は(1)不注意(2)不祥事に当たると認識していない学習不足(3)性癖など悪いと知りながらやっている−の3つに分類した。(1)、(2)については研修を強化して対応する。

 一方、(3)については「研修による効果が表れないので難しい」と話した。職場の風通しを良くするなど環境を整え、悩みやストレスによる自制心の低下を防ぐよう対策を講じるという。

 同プログラムでは、世代関係なく不祥事が発生していることから、若手だけでなく、20年経験者研修などでも不祥事根絶を取り上げるとした。また、教員志望者へ不祥事に関する演習を実施し、採用試験でこれまで以上に教員としての倫理観に重きを置いて評価するという。

 今回、県教委は3月に設置した「不祥事根絶対策会議」で、現場から集まった意見も踏まえながら、計5回の会合をへて同プログラムを策定した。ただ、その間にも教員の不祥事が相次いだ。4月を「年度当初教職員事故防止強化運動期間」として取り組んでいたが、年度早々にが発生した。

 小松教育長は「不祥事は誰にでも起こりうるというスタンスに立って対策すべきだ」と話したが、今後どこまで各学校に浸透させられるか手腕が問われる。

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