神戸・中3自殺 市教委幹部の懲戒処分で遺族がコメント<全文>
神戸新聞NEXT 2019/1/11(金) 22:50配信
2016年10月、神戸市垂水区の中学3年の女子生徒=当時(14)=が自殺し、いじめを証言した同級生らのメモが隠蔽(いんぺい)された問題で、同市教育委員会が11日、幹部職員を懲戒処分したことなどに対し、女子生徒の遺族が文書でコメントした。全文は次の通り。
本日、神戸市教育委員会より、いわゆる「メモの隠蔽」問題などに関して6人の教職員に対する懲戒処分などについてご説明を受けました。
懲戒処分そのものについては教育委員会内部の人事に関する問題であり、その軽重を含めたコメントは差し控えたいと思います。
もっとも、メモの隠蔽に至る経緯については、が当時の校長に指示をしたというこれまでの教育委員会の立場を踏襲したものであり、組織的な隠蔽についての全容解明にはほど遠いものと言わざるを得ません。
事件直後にいじめの事実を勇気を持って告発した同級生の証言を記載したメモは大変貴重な資料であるはずですが、今なお、これを軽いものと扱っているように感じられて残念でなりません。
現在、神戸市長のもとで再調査が行われておりますが、時間の経過もあり、真実解明が困難になっているのではないかと大変心配をしております。事件発生直後の神戸市教育委員会のもとでの調査の段階で、積極的ないじめの事実調査と遺族に寄り添った情報公開がなされなかったことが悔やまれてなりません。
今回の処分を契機に、神戸市教育委員会や学校現場において、いじめ予防に対しても、いじめ発覚後の事実調査においても、いじめ防止対策推進法に基づいて、被害生徒やその保護者に寄り添った積極的な対応がなされる組織風土に変わることを願ってやみません。