郡市長「いじめ対策が最重要課題」学校長に呼びかけ
TBC東北放送 2019/4/10(水) 19:32配信
4月1日に施行された仙台市のいじめ防止条例。郡市長は、10日に仙台市立の学校長に対して、「最重要課題として、いじめ対策に本気で取り組む必要がある」と、改めて呼びかけました。
2019年度初めての合同校長会には、仙台市立の小中学校や高校などの校長約190人が出席しました。この中で郡市長は、仙台市のいじめ防止条例を受け、「大人がいじめ根絶に向けての本気度を子どもたちに示していく必要がある」と呼びかけました。また、教育委員会の担当者らが、「教職員一人ひとりが、『この程度なら大丈夫』との先入観を持たずに子どもと接して、いじめの早期発見に努めてほしい」と述べ、学校が主体となって積極的に取り組む必要性を強調しました。
仙台市では、いじめを受けていた市立中学校の男子生徒3人が2014年以降、相次いで自殺した問題を受け、独自の条例を制定し、4月1日から施行されています。
仙台市泉区の館中1年の男子生徒=当時(12)=が2014年9月、いじめを苦に自殺。
学校はクラスメートらに「彼は転校した」と虚偽の説明をしていた。
市教委は2017年3月27日、当時の担任だった女性教諭を訓告、当時の教頭を口頭厳重注意、菅原光博校長(60)を戒告の懲戒処分。
生徒の自殺から2年半も経ってからの処分で、当時の生徒たちは卒業し校長も定年退職となる。
仙台市泉区の市立中2年の男子生徒=当時(14)=が2016年2月にいじめを苦に自殺。
教師たちは同級生たちに、亡くなった生徒とのLINEの履歴の削除を命じる。
仙台市青葉区の折立中2年の男子生徒(13)が2017年4月にマンションから飛び降り自殺。
市教委は4月29日の記者会見でいじめの存在を否定したが、5月1日になって大越裕光・市教育長が「過去にいじめがあったことは事実」と認めた。
宮城県工業高校1年の男子生徒(当時15歳)仙台市内の自宅で自殺。
男子生徒は入学直後から担任に徹夜をしなければ終わらないほどの課題提出を求められたが、「やり直せ」と突き返されるなどし、6月ごろから部活動への参加も禁じられた。
同高の西尾正人校長は「(担任教諭の指導は)教育的指導の範囲内と認識している」と話した。
仙台市内の住宅で小学2年の長女(8)と母親(46)が無理心中。
両親は学校に何度も相談したが「対応する」「もう少し待って」と繰り返された。市教委に訴えても「相手が認めないと解決できない」と言われたという。精神的に追い詰められた長女と母親は、無理心中してしまう。