コーチ平手打ちでバレー部員失神、その脇で試合継続

コーチ平手打ちでバレー部員失神、その脇で試合継続
読売新聞オンライン 2019/5/23(木) 8:20配信

 兵庫県尼崎市立尼崎高校の男子バレーボール部の体罰問題で、コーチを務める男性臨時講師(28)から平手打ちされた部員がコート脇で意識を失い倒れていたにもかかわらず、同じコートで予定通り他校との練習試合が行われていたことが、市教委の調査でわかった。市教委は、コーチの体罰が常態化し、部内に容認する空気があったとみて、引き続き調査を進める。

 市教委によると、体罰のあった4月29日、同校の北館4階と本館6階の2か所の体育館に分かれ、他校との練習試合が行われた。

 

 部員はコート脇で意識を失い、コーチが声をかけている間、同じコートで練習試合が始まったという。

 コーチが本館6階体育館にいた男性監督(51)に状況を伝えに行ったのは約20分後、第1セットが終了した後だった。駆けつけた監督は「呼びかけに反応があった」として救急搬送せず、部員を北館4階のエレベーターホールに運び、ベンチに寝かせたという。その後も試合は続けられた。

 市教委の調査では、この部員以外の33人のうち15人が、過去にコーチが体罰をしていたと証言。市教委は体罰が常態化していたとみており、松本真教育長は「気絶している人がいる中で試合を続ける感覚は理解できない」と指摘している。

 桑本広志校長は「試合をしたことは市教委の報告書を見て知った。考えられないことだ」と話している。

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