中3自殺、第三者委報告は不十分 学校対応の真相不明瞭

中3自殺、第三者委報告は不十分 学校対応の真相不明瞭
岐阜新聞Web 2019/12/27(金) 7:27配信

 岐阜市の市立中学校3年の男子生徒(14)がいじめを苦に自殺したとみられる問題で、第三者組織の市教育委員会いじめ問題対策委員会が取りまとめて答申し市教委が公表した調査報告書について、県いじめによる重大事態再調査委員会の委員で中部学院大の宮嶋淳教授(55)=児童福祉=は26日、「真相解明や再発防止策が不十分」と指摘した。報告書は、黒塗り箇所や白紙の部分が多いこと、再発防止策で専門家と教員との連携強化の仕組みが十分でないことなどを挙げた。

 市教委によると、報告書は、遺族の意向で多くが白紙や黒塗りとなった。宮嶋教授は「プライバシーは配慮すべき」と遺族の心情を尊重しつつも「今回の学校の組織的な対応に関する記述が白紙となっており、真相が分からない」と話す。「学校対応の詳細は、保護者も知りたい情報。今回の教訓を他の学校が生かすためにも公表すべき」と強調する。

 報告書の内容には、教員の目撃情報がないことに触れ、「あり得ない」と疑問視。2人の生徒がメモやアンケートで男子生徒へのいじめを訴えた点にも着目し「いじめを認識する機会はあったが、現場が動こうとしなかったのが問題。なぜそうなったか、踏み込んで明らかにするべき」と述べた。

 再発防止策では、「加害者への教育内容が具体的に盛り込まれていない。相手の立場に立つ大切さを学ばせないといけない」と語った。

 さらに、「複数の教職員が組織的に対応しないといけない」とあるが、「カウンセラーやソーシャルワーカーをチームの一員に加えて現場で連携することも盛り込むべき」と提案。問題が起きた背景に教員の多忙化が指摘される中、「報告書の再発防止策では、かえって教員の負担が増加し、現場が疲弊してしまう」と警鐘を鳴らした。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする