高校の部活動中の事故めぐり… ハンドボール部事故訴訟 原告の請求棄却 顧問の責任認めず 「後遺症の原因明らかでない」
NBS長野放送 2020/1/16(木) 20:17配信
部活動中の事故をめぐる訴訟で判決です。ハンドボールの練習試合中のけがで後遺症を負った男性と両親が、学校や長野県などに損害賠償を求めた訴訟の判決で、長野地裁上田支部は、原告の訴えを棄却しました。
判決後の会見で原告の母親は。
原告の母親・米谷美弥さん:
「棄却ということは、未来につながらなかった。それが、残念」
6年前の2014年。男性は当時、坂城高校の2年生で、ハンドボールの練習試合中に、相手の膝が顔にあたって倒れ込み、一旦休んだ後、再び試合に出場。その日の夜、緊急入院し、「高次脳機能障害」や「解離性障害」などと診断されました。
原告の母親・米谷美弥さん:
「もしあの時、救急車を呼んでいてもらったら、何か違ったのかなと。試合に再出場しなければ変わっていたのかなと」
男性と両親は、当時の顧問の教諭は普段から厳しい指導を行い、けがの後も「救急車を呼ぶなど適切な対応をしなかった」などとして、教諭と校長、県を相手に8400万円余りの損害賠償を求めていました。
一方、県などは裁判で、再出場は男性が判断し、「大丈夫です」と答えたなどと反論し、訴えの棄却を求めました。
原告の母親・米谷美弥さん:
「6年前、『行ってきます』と出ていった状態に戻してもらいたい。うちと同じような子が出ないことを(願う)」
提訴からおよそ2年半。地裁上田支部が下した判決は、「請求の棄却」。顧問の教諭の指導により事故が発生したわけではないとしました。また、男性の症状の原因が、事故時の衝撃なのか再出場の影響なのかも明らかでなく、再出場と症状の間に因果関係があるとは認められないなどとし、原告の訴えを棄却しました。
原告の母親・米谷美弥さん:
「失望に近い感情。またきっとどこかで、子どもがケガをする」
原告側は今後、控訴について検討を進めるということです。
一方、県側は…。
長野県教委・原山隆一教育長:
「けがをした元生徒に対してはお見舞いを申し上げたい。(判決については)県の主張が全面的に認められたと」