兵庫・宝塚の柔道部顧問、懲戒免職「厳しい指導のつもり」

兵庫・宝塚の柔道部顧問、懲戒免職「厳しい指導のつもり」
産経新聞 2020/11/24(火) 16:13配信

 兵庫県宝塚市の市立長尾中で、柔道部の顧問が1年生の男子生徒2人に体罰を加え、骨折などの重軽傷を負わせた事件で、傷害罪で起訴された顧問の教諭、上野宝博被告(50)が「厳しい指導のつもりだった」と話していることが24日、同県教育委員会への取材で分かった。県教委は同日付で上野被告を懲戒免職処分とした。

 また、体罰の現場に居合わせながら制止しなかった副顧問の男性教諭(42)を減給3カ月(10分の1)、指導監督が不十分だったとして男性校長(56)を戒告の懲戒処分とした。

 県教委などによると、上野被告は9月25日、学校の冷凍庫に保管していたアイスクリームを無断で食べたとして柔道部の生徒2人に校内の武道場で技をかけ、1人に胸椎圧迫骨折などの重傷を負わせ、もう1人に左足の挫傷などのけがをさせた。生徒が意識を失った後も顔を平手打ちして目覚めさせ、さらに暴行を続けたとされる。

 上野被告は県教委の聞き取りに対し「厳しい指導のつもりだった。保護者に説明しているうちに事の重大性に気付いた」と話したという。県教委は「厳しい指導をはるかに超え、体罰とすら呼べない。守るべき生徒に対する傷害として、最も重い処分にした」としている。

 兵庫県宝塚市の中学校で、柔道部員の1年男子2人に柔道技をかけて背骨を折るなどの重軽傷を負わせた傷害容疑で顧問教諭の上野宝博容疑者(50)が兵庫県警宝塚署に逮捕されたことを受け、競技を統括する全日本柔道連盟も調査に乗り出し処分を検討することが19日、明らかになった。全柔連の中里壮也専務理事がオンラインで取材に応じ、「なるべく早く調査に取りかかる」と話した。
 上野容疑者は9月25日、校内の冷凍庫で保管していたアイスキャンディーを部員の生徒2人が無断で食べたとして立腹。他の柔道部員の目前で柔道の投げ技や寝技を連発して負傷させた。生徒の1人は絞め技で失神した後も平手打ちで無理やりに起こされ技をかけられ続けたといい、胸椎骨折で全治3カ月の重傷。もう1人は首を打撲する軽傷を負った。
 全柔連は指導における体罰や暴力行為を禁じており、違反した場合は指導者登録停止などの処分を科す可能性がある。
 今回の件についても、コンプライアンス委員会を中心に調査委員会を立ち上げ、聞き取り調査などを行う見込みだ。中里専務理事は「加害者の人権もあるので(処分決定まではヒアリングなどの)手順を追わないといけない。ただ、加害者は今(警察に)身柄を拘束されているので直接面会できるか。制約がある中でいろいろ調べていく」と話した。

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