わいせつ教員が私学を自主退職、文科相「公立に回ってくる可能性ある」

わいせつ教員が私学を自主退職、文科相「公立に回ってくる可能性ある」
読売新聞オンライン 2021/3/2(火) 20:22配信

 で、萩生田文部科学相は2日の閣議後記者会見で「(私学が)学校の評判のために安易に対応すると、退職した教員が公立学校に回ってくる可能性が十分にある」と述べ、処分前の自主退職に懸念を示した。

 教員が不祥事を起こした場合、公立は地方公務員法に基づく懲戒処分が行われるが、私学の場合は学校法人が就業規則に基づき、処分を決める。民法の規定では退職届を出してから原則2週間が経過した時点で退職の効力が生じ、私学の場合は退職が認められる。

 読売新聞の取材では、わいせつ事案で警察からの捜査を受けている私学の教員が、処分前に自主退職する事例が複数判明した。懲戒解雇・免職となって教員免許が失効すると、氏名が官報に掲載されるが、自主退職では掲載されず、文科省が各教委などに配布している検索ツールでも検索の対象外になる。

 萩生田文科相はこの日、「これだけ社会問題になっている。きちんと対応してほしい」と述べ、私学に対しても適切な対応を求めていく考えを強調した。

 一方、自民、公明両党が、わいせつ教員問題で議員立法に向けて検討を始めたことについて、「議論を深めてもらうことは極めて大事だ」と述べた。

 全国の私立学校で2017〜19年度の3年間に懲戒解雇された教員は計37人に上ることが、文部科学省が初めて私学を対象に実施した実態調査で明らかになった。私学は学校法人などが運営し、教員が逮捕されるようなわいせつ事案でも、公立とは異なり、自主退職する事例も散見される。有識者は「解雇されたのは氷山の一角だろう」と指摘している。
 わいせつ行為で処分される公立学校の教員が相次いでいることを受け、文科省が私学の懲戒解雇の状況などを都道府県に尋ねた。私学は児童生徒が約130万人、在籍する教員は約8万人。公立学校とともに学校教育の根幹となっている。
 調査の結果、私学の懲戒解雇は17年度14人、18年度8人、19年度15人。このうち、わいせつ・セクハラ行為は27人だった。毎年公表されている公立学校の懲戒免職は3年間で計637人。わいせつ・セクハラ行為での免職は436人だ。
 不祥事を起こした場合、公立の教員は地方公務員法に基づく懲戒処分になる。これに対し、私学の場合は学校法人が就業規則に基づき処分を決める。
 民法では、従業員は退職届の提出から2週間で退職になると定めている。そのため、私学の教員は警察が捜査をしていても、退職がそのまま認められる。公立の教員は、嫌疑の段階で懲戒手続きが始まり、自主退職は運用上、認められていない。文科省の担当者は「公務員の場合、採用も退職も行政行為になる。仮に退職願が出てきても、認めるかどうかは教育委員会の判断だ」とする。
 懲戒免職・解雇になると教員免許は失効するが、自主退職では失効せず、別の学校で教壇に立つことも可能だ。ただし、禁錮刑以上に処せられると、免許は失効する。
 私学のコンプライアンスに詳しい日本女子大の坂田仰教授(教育制度論)は「私立は教員の不祥事が生徒募集に直結するため、穏便に処理されるケースが多い。解雇に相当する行為をしている人数はもっと多く、調査で得られた数字は氷山の一角だろう。公立私立を問わず、わいせつ行為をした教員は原則、懲戒免職・解雇とすることを徹底し、教員免許を取り上げるべきだ」と話している。

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