運動部主将の死、再調査へ 県が第三者委を設置 母「しっかりと向き合って」

運動部主将の死、再調査へ 県が第三者委を設置 母「しっかりと向き合って」
沖縄タイムス 2021/8/28(土) 10:51配信

 コザ高校で運動部主将の男子生徒が顧問から日常的に叱責(しっせき)され自殺した問題で、沖縄県の玉城デニー知事は27日の会見で、県組織内に第三者調査委員会を設置すると発表した。委員選任後、9月下旬に第1回会合を開く方針。

 知事は「このような事案を二度と繰り返さないために公平、中立の観点から先入観を持たずに事実を調査してほしい」と述べた。

 第三者委は県総務部総務私学課に設置する。改めて自殺に至る事実関係を調査し、県教育委員会の第三者調査チームでは調べることができなかった事象などにも踏み込む方針。最終的に提言としてまとめ、知事の政策や意思決定の参考とする。委員は弁護士や教育関係者、児童心理の専門家ら7人程度を予定しており9月中旬までに選任する。

 同問題を巡っては、今年3月、県教委が設置した第三者調査チームが自殺の要因を「部活動顧問の叱責がストレスになった」とする結果を公表した。

 これに対し遺族や同校の保護者らは「調査期間が短く事実関係の確認が不十分」など疑問視し、県に第三者委の設置と再調査を要望。陳情を受けた県議会は7月、県教委から独立した第三者委員会による再調査を求める決議を全会一致で可決した。

 第三者委の設置を受けて男子生徒の母親は「一歩、前に進めたと感じる」と話す。その上で、前回の調査は、約2週間と期間が短かったとし「息子は命を落としている。今回の委員会が、原因の究明ができる最後の機会かもしれない。有識者らを交えて問題にしっかりと向き合い、再発防止につなげてほしい」と求めた。

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