堀越学園・解散命令へ:転学・園説明会 文科省認識「教育活動、止まる事態も」 質疑応答、公開望む声 /群馬
毎日新聞 2012年12月9日(日)12時17分配信
前橋市で8日行われた、文部科学省と県共催による学校法人堀越学園(高崎市・王豊理事長)運営の学校・幼稚園の学生や保護者向けの転学・園に関する説明会。文科省私学部の牛尾則文・参事官は「教育活動が突然、完全に止まる事態にならないとも限らない」との認識を示した。
説明会には、同学園が運営する創造学園大と2専門学校、2幼稚園の学生などや保護者160人以上が出席した。牛尾参事官は法人が解散命令に至った経緯について、「経営状況が非常に悪い。理事が対立し意思決定が難しい。教職員の給与未払いや一時休校など教育に与える影響が大きくなった」と説明した。
法人が外部から資金援助を得て再建を図る意向を示していることについては「具体案を示していない。再建できるのか、はなはだ疑わしい」と批判。一方、質疑応答から非公開になったが、出席者からは「学生や保護者の苦しみ、叫びを多くの人に聞いてほしい」と公開を望む発言があった。
文科省によると、「転学先の入学金、二重負担金はどうなるか」「単位は全て認定されるのか」「堀越学園への責任追及はどうなるか」などの質問が相次いだ。同省や県では入学金減免や単位認定について大学などに配慮を求めており、補助金を出すことなどを通じて転学を支援する。また、「第三者が入って行われる清算、もしくは破産手続きで責任を追及すべき事実が出れば、民事、刑事の両面で厳しく追及していく」との方針を示した。
保護者らで組織する「(堀越学園)あしたの会」の代表幹事は「何も聞かされていない学生や保護者に、現状を知ってもらうことができたが、(修得単位の扱いなど)学生の立場に立った具体的な話を聞けなかったのが残念だ」と話した。
同法人が運営する高崎医療技術福祉専門学校3年の男子学生(21)は「転学準備は全く進んでいない。単位認定の不安やこれから金銭面で親に負担をかけてしまう」と話していた。【田ノ上達也】
12月9日朝刊