北本中1自殺控訴審結審 高裁が和解勧告

北本中1自殺控訴審結審 高裁が和解勧告
埼玉新聞 2013年1月17日(木)23時2分配信

 2005年、北本市の市立中学1年中井佑美さん=当時(12)=が自殺したのは中学校内のいじめが原因として、両親が市と国を相手取り、約7600万円の損害賠償などを求めた控訴審の第3回口頭弁論が17日、東京高裁で開かれ、両親側が意見陳述し結審した。閉廷後、設楽隆一裁判長は両親側と市、国に和解を勧告した。

 同訴訟での和解勧告は初めて。和解内容は明らかになっていない。和解手続きが取られない場合、判決は4月25日に予定されている。

 昨年7月の一審東京地裁は「自殺の原因になるようないじめの事実が認められない」と請求を棄却。両親が判決を不服として、控訴していた。

 昨年11月に開かれた控訴審の第2回口頭弁論の証人尋問では、佑美さんの同級生1人が証人として出廷し、佑美さんがいじめられていた事実を証言した。

 17日の口頭弁論では、両親側の弁護士が「(一審の)いじめの事実なしの判決に驚いた同級生が、法廷で自分が真実を伝えるしかないと証言台に立った。子どもたちは真実を教師から知らせてほしかった。裁判所には責任ある判断を強く望む」と意見陳述した。

 裁判終了後の報告集会で、父親の紳二さんは「この6年間、長い裁判だった。控訴審では同級生の証言がかなり効いていると思う。今後のことは、弁護団の先生方と相談して決めたい」と話した。

 訴状などによると、佑美さんは05年10月、自宅近くのマンションから飛び降り自殺した。遺書には、クラスでのいじめをほのめかす内容が書かれていた。

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