体罰の実態調査へ 生徒や教諭、保護者対象 和歌山県教委
紀伊民報 2013年1月31日(木)16時54分配信
大阪市立桜宮高校の生徒が体罰を受けた後に自殺した問題を受け、和歌山県教委は31日、児童生徒や学校教諭、保護者を対象に体罰に関する実態調査を実施することを明らかにした。県教委学校人事課は「体罰は許されないこと。実態を正確に把握し、体罰禁止の徹底を図りたい」と話している。
31日に和歌山市で開かれた市町村教育委員会教育長会議で西下博通県教育長が明らかにした。県教委が同日付で市町村教育長や県立学校長に通知を出した。
調査は文部科学省の通知を受けて実施する。公立の小中高と特別支援学校461校の児童生徒約10万7千人と、非常勤を含む教員約9900人を対象に、体罰の有無などをアンケートで問う。アンケートに基づき学校が聞き取り調査などを行い、3月8日までに県教委に報告する。
児童生徒に対してはアンケートで、昨年4月以降に教員から体罰を受けたことがあるか、体罰の場面を見たことがあるかを聞く。原則記名式だが、アンケートの提出先を担任以外でも可能な選択制にするなど、児童生徒が答えやすい環境に配慮を求める。
教員対象のアンケートも原則記名式で行い、本年度に体罰をしたか、体罰の場面を見たことがあるかなどを問う。保護者に対しては、保護者が学校での体罰に関する悩みなどを相談しやすいよう体制を整備。学校の相談窓口を明確にして、学校から保護者に対して周知して情報を集める。
県教委が取りまとめた結果は4月30日までに文科省に報告する。結果の公表方法については検討中としている。県教委は重大な体罰事例が判明した場合は、すぐに対応するとしている。
教育長会議で、西下教育長は「全国でいじめや体罰の報道が相次いでいる。教職員が部活動に限らず学校教育活動全般で体罰を加えることは断じてあってはならないことを、あらためて肝に銘じたい」と話した。