内柴正人被告 懲役5年の実刑判決「被告の供述は全く信用できない」

内柴正人被告 懲役5年の実刑判決「被告の供述は全く信用できない」
スポニチアネックス 2013年2月1日(金)10時2分配信

 指導していた大学の女子柔道部員を合宿先のホテルで乱暴したとして、準強姦(ごうかん)罪に問われたアテネ、北京両五輪の金メダリスト・内柴正人被告(34)の判決公判が1日、東京地裁で開かれ、鬼沢友直裁判長は検察側の求刑通り懲役5年の実刑判決を言い渡した。

 判決理由について鬼沢裁判長は「被害者の証言は十分信用できるが、被告の供述は全く信用できない」とし、「輝かしい実績を持ちながら被害者の心を深く深く傷つけ続けた責任は極めて重い」と述べた。

 「性的関係は合意の上」と無罪を主張する被告の供述と女子部員の証言内容が食い違い、双方の信ぴょう性が争点となっていたが、検察側は12月26日の論告求刑公判で「被告の性道徳観念は破綻しきっている。このまま社会に出すのは危険。矯正施設に収容すべきだ」として懲役5年を求刑していた。

 最終弁論で内柴被告の弁護人は、「酔って寝ている間に乱暴された」とする女子部員の証言を「不自然で不合理」と指摘。ホテルの部屋から逃げ出したり、助けを呼んだりしなかったことや、事件後の日中に内柴被告と2人きりで約6時間も過ごしたことなどを挙げ「被害者の行動にそぐわない」と主張していた。

 一方、被害者の女子部員は事件後、睡眠薬を大量にのんで自殺を図り、大学にも行っておらず「被告に大好きな柔道も、大学も友達も彼氏もみんな奪われた。一生許すつもりはありません」と、厳しい判決を望んでいた。代理人弁護士は「尊厳を否定された」として懲役20年を求めていた。

 起訴状によると、10年4月から九州看護福祉大(熊本県玉名市)でコーチとなった内柴被告は、同大学女子柔道部の合宿が行われた11年9月20日未明、東京都八王子市のホテルで酒に酔って熟睡していた部員に乱暴したとしている。

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内柴被告、両手で顔覆う 警視庁所属のコーチも同席…女子柔道界に追い打ち
産経新聞 2013年2月1日(金)11時35分配信

 柔道金メダリストの内柴正人被告(34)に1日、実刑判決が下された。「被告人を懲役5年に処する」。鬼沢友直裁判長は求刑通りの「5年」を強調するように、やや上ずった声で主文を読み上げた。着席して判決理由を聞くよう促された内柴被告の動作は緩慢で、証言台の前に座ると同時に両手で顔を覆った。大学コーチとして部員を乱暴した犯行が認定され、国内トップ選手に対する監督らの暴力問題に揺れる女子柔道界に追い打ちをかける格好となった。

 内柴被告の公判でも、女子柔道指導者の不適切な言動の数々が浮かび上がった。昨年11月の被告人質問。内柴被告は被害者の女子部員以外にも、複数の部員と性的関係を持っていたことを認めた。

 「尊敬している内柴被告の指導を受けたくて大学に入った。抵抗したら、今までのように指導してもらえないのではないか」。関係を持っていた部員の1人がこう述べた供述調書も法廷で読み上げられた。

 また、事件直前に内柴被告が未成年の被害部員らと飲酒していた飲食店やカラオケでは、園田隆二・日本代表監督同様、警視庁に所属するコーチが同席していたことも判明。事件について事情を聴かれ、ポリグラフ検査を受けたことも明かしていた。

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