滋賀の公立中、全学年で35人学級 いじめ撲滅へ教員増員
京都新聞 2013年2月7日(木)16時19分配信
滋賀県教委は2013年度から、中学校の全学年で35人学級を実現させる。すでに小学1〜3年と中学1年で実施しており、制度を拡充。大津市の中学2年生自殺を受け、いじめ対策の一環として、教師が子どもと向き合う時間の確保を目指す。新年度予算案で人件費など8500万円の増額を盛り込んだ。
35人学級は民主党政権が小学1、2年で導入。昨年、小中学校全学年への拡大を打ち出したが、政権交代後の政府が見送りを決め、嘉田由紀子知事も「実施は困難」との見方を示していた。だが大津市のいじめ問題で市の第三者調査委員会が、報告書で教師の多忙などの問題点を指摘。嘉田知事は「中学校の負担を支えたい。報告書に大きく背中を押された」と実施を決めた。
県内の中学2、3年は現在、特定教科の授業のみクラスを分ける「少人数指導」を実施しているが、13年度からは、35人学級か少人数指導かを各校が選ぶ選択制を導入する。県内の全中学校が35人学級を選んだ場合、クラス数は100程度増える見込み。教科指導だけの教員を担任に振り分けた上で、不足する正規の教員10人を増員する。逆に担当者が不足する教科指導の約1400時間分は非常勤講師で対応する。
いじめ対策ではこのほか、県教委内に置く「いじめ問題対応専門員」に4100万円を充てた。校長OBや社会福祉士など15人が、子どもの相談窓口となり、解決に向け関係者間の調整を行う。また、授業を持たずいじめ対応に専念する教員の配置や、学校と地域の連携を行う市町への支援、電話相談用の回線増設なども新規に盛り込んだ。