酒気帯び運転免職:県人事委「処分重すぎる」 不起訴の元教諭、懲戒免を停職に変更 /長野

酒気帯び運転免職:県人事委「処分重すぎる」 不起訴の元教諭、懲戒免を停職に変更 /長野
毎日新聞 2013年3月7日(木)13時44分配信

 飲酒翌日の酒気帯び運転を理由に県教委が懲戒免職とした元松本工高教諭、岩原昌孝さん(53)について、県人事委員会は5日付で「処分が重すぎる」と停職6カ月に変更する裁決をした。近く職場復帰する岩原さんは取材に「長いトンネルを抜けた気持ち。これまで支援してくれた人に感謝している」と述べた。
 裁決によると、岩原さんは10年3月に山梨県内のホテルであった送別会で飲食し、宿泊。翌日午前10時ごろ、酒気帯び運転で山梨県警に検挙され、その後、甲府区検は岩原さんを不起訴処分とした。県教委は10年11月に懲戒免職処分を決め、岩原さんは不服として11年8月に県人事委に審査請求した。
 県人事委は裁決で「非常に軽率で強く非難されるべき行動で、公務員としての自覚が不足していた」と指摘。一方、本人に酒気帯び運転の明確な意識があったことは認められず、不起訴になっていることなど酌量する事情があり、免職処分は厳しすぎて妥当性を欠くとした。
 県内教員の酒気帯び運転を巡っては、長野地裁が12年11月に元中学校教諭、坪井香陽さん(43)の懲戒免職処分を取り消す判決を言い渡し、県教委は東京高裁に控訴している。
 県人事委事務局は「(判決とは)あくまで別の事案であり、具体的な事情を考慮して今回の判断をした」と説明した。県教委の山口利幸教育長は「判断が認められず遺憾だが、裁決に従って対応する。引き続き飲酒運転の根絶に向けた取り組みを進めていく」とのコメントを出した。【古川修司、小田中大】
3月7日朝刊

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