体罰疑い新たに142件 京都府教委、教員90人関与
京都新聞 2013年3月12日(火)8時39分配信
大阪市立桜宮高の自殺問題を受けた文部科学省の体罰緊急調査で、京都府教育委員会は11日、児童生徒へのアンケートなどから、府内の公立学校(京都市を除く)で体罰が疑われる事案142件と関わった教員90人を把握したことを明らかにした。そのうち、けがを負ったのは7件で、すべて高校での事案だが、軽微だったという。
今回は調査に基づく「2次報告」として文科省に報告する。学校が把握済みの事案を集計した「1次報告」は6件にとどまっており、大幅に増えた。
小学校は教員5人が関わった10件。中学校は25人34件。高校が最多の59人97件で、特別支援学校は1人で1件だった。昨年4月から今年2月までの事案が対象で、アンケートや教職員の自己申告、府総合教育センター(京都市伏見区)での電話相談に基づき調査した。
府教委によると、高校では、部活動の指導中に「練習に集中していない」として部員5人に平手打ちをしたり、提出物を出していないとして胸ぐらをつかんで突き倒したとの事案があった。
ただし、142件の中には、授業中に居眠りする生徒の頭を出席簿でたたくなど、体罰と見なしにくい事案もあるという。府教委は、体罰かどうかの判断のために意見を求める有識者会議を立ち上げる予定で、文科省への報告は142件から絞り込まれる見通し。