「ナイフ?で脅かされていた」 舞鶴いじめ不登校問題
京都新聞 2013年3月19日(火)8時59分配信
京都府舞鶴市の中学3年男子生徒(15)が小学6年時からいじめが原因で不登校になっている問題で、市教育委員会が昨年10月に行った聞き取り調査で「ナイフのようなもので脅かされていた」と複数の元同級生から証言があったにもかかわらず、生徒の保護者に伝えていなかったことが18日までに分かった。市教委は「隠蔽(いんぺい)するつもりはなかったが、確証が持てなかった。きちんと説明すべきだった」と釈明している。
詳しい調査内容の開示を求めた母親(50)に対し、市教委が2月になって、聞き取りをまとめた文書を渡し、発覚した。
市教委によると、小6当時の同級生への聞き取り調査は昨年10月に行い、2人が「(加害児童が)ナイフのようなものを突きつけて『金持ってこなかったら殺すぞ』と言っていた」などと回答。小学校教諭らが2人に再び話を聞き、「不確かな部分はない」と判断したが、加害生徒が「覚えていない」と話したため、公表を控えたという。
市教委学校教育課は「証言は信ぴょう性があったが、年月も経過しており、子供たちへの影響を考慮した。いじめが分かった時にきちんと指導すべきだった」としている。
市教委はいじめが不登校の原因となったことを認め、昨年11月に佐藤裕之教育長が謝罪。母親は「学校現場の対応が遅かった上、市教委までが最も重大な証言を隠し、何の謝罪だったのか。いじめ根絶への真剣さが感じられない」と不信を募らせている。