教職員懲戒 過去最多47件 異常事態に教育長「悔しく残念だ」 長野
産経新聞 2013年3月19日(火)7時55分配信
県教育委員会が平成24年度中に行った教職員に対する懲戒処分が、過去最多の47件に上ったことが分かった。昨年の16件に比べて約3倍という異常な事態。統計がある平成4年以降で最多だった18年度の25人と比べても2倍近い処分件数となっており、近年にない突出した状況になっている。教職員による不祥事が止まらない状況に、県と県教委が設けた教員の資質向上・教育制度あり方検討会議から近く出される提言の早急な具体化が求められる。
監督責任を除いた処分の原因で最も多かったのは体罰の10件。続いて道路交通法違反が9件、わいせつ行為が6件、服務上の非違行為が5件、その他が3件の順となっている。このうち体罰とわいせつ行為は過去最多を更新した。
また懲戒処分で免職となったのはわいせつ行為で6件、飲酒運転による道交法違反が3件、その他に含まれる盗撮行為が1件となる。1年間で10人の免職者は、これまで最多だった15、20、21年度の5人を大きく上回り、重大な不祥事が相次ぐ異常な状況であることが分かる。
不祥事防止策を議論してきたあり方検討会議は19日、最後の会合を開いて県と県教委への提言をまとめる予定。県教委は提言を受けて、それぞれの項目に沿った再発防止に向けた行動計画を夏休み前までに策定する方針だ。すでに提言案の一部は先取りする形で研修プログラムに取り入れるなどしており、事務局は「このような事態は2度と招かない決意で取り組みたい」としている。
なかでも体罰がクローズアップされる中で処分が相次ぐ事態に山口利幸教育長は、記者会見で「悔しく残念だ。被害にあった子供や保護者の方に本当に申し訳ない気持ちでいっぱい」と陳謝。「体罰はおびえや恐怖を持ち込み、存在を否定する一番鋭い形。そういう形で教育をやろうとするのは間違い」と述べ、体罰容認論を一蹴した。