「直接謝罪なく残念」いじめ被害の男子生徒の父親 無念さにじませる

「直接謝罪なく残念」いじめ被害の男子生徒の父親 無念さにじませる
産経新聞 2013年3月29日(金)19時4分配信

 「加害生徒から直接謝罪がなく、残念だ」。横浜地裁で和解が成立した神奈川県海老名市立中学校でのいじめをめぐる訴訟で、男子生徒の50代の父親は29日、横浜市内で会見を開き、和解内容について一定の評価をした一方、無念さもにじませた。

 父親は会見の冒頭、「いじめの事実を裁判所が認めてくれたことは良かった。和解勧告を受け入れてくれた海老名市には感謝している」と和解内容への理解を示した。ただ、加害生徒から直接の謝罪はなかったといい、「残念に思っている。きちんとけじめをつけてほしかった」と唇をかんだ。

 男子生徒はいじめが原因で中学2年に進級した平成21年5月から登校できない状態になった。同年中に転校したが、23年6月には心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、今も症状は続いているという。

 父親は「息子は4月から高校3年になるが、実際の症状としては未来を描けない。どこへいっても、またいじめられるんじゃないか。それが家族として一番つらい」と打ち明けた。

 市教育委員会は今回の訴訟などを受け、いじめ問題に対して、関係機関との連携や早期対応に努めることなどを定めた基本方針を策定。父親は「確実に実行されることを大いに期待している」と述べた。

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