大津いじめ自殺訴訟 市が過失を書面で認定「悔やみきれない失態」
産経新聞 2013年4月9日(火)15時27分配信
大津市で平成23年10月、市立中2年の男子生徒=当時(13)=が自殺したのはいじめが原因だったとして遺族が同級生3人と保護者、市に約7720万円の損害賠償を求めた訴訟の第6回口頭弁論が9日、大津地裁(長谷部幸弥裁判長)であった。市側は準備書面で初めて、いじめと自殺との因果関係や過失、遺族側が主張するいじめ行為の大半を認め、「遺族の要望をできる限り反映する形で和解協議が進むことを強く望む」とした。
準備書面で市側は、市の第三者調査委員会の報告を基に「自殺の直接的原因はいじめである」としていじめと自殺の因果関係や市側の過失を認め、「学校側の消極的な姿勢が最悪の事態を引き起こした。悔やみきれない失態」とした。
遺族側が主張するいじめ行為についてもほぼ認め、「万引の強要」など調査委が確認できなかった一部のケースについては認否を保留した上で「少年審判の進行を考慮し、今後具体的な認否を行う」とした。
一方、同級生側は、遺族が主張するいじめ行為について次回期日(6月25日)までに認否を明らかにする見通し。
遺族は、弁護士を通じて「市が責任を認めたのは一定の評価ができるが、一部認否を保留しており、和解に応じるかどうかは全くの白紙だ」とコメントした。
訴訟は、男子生徒の遺族が昨年2月に提訴。市側は当初、全面的に争う姿勢をみせたが、同年7月に越直美市長が調査委を設置して以降、方針を転換して和解協議に入りたい意向を示し、調査委が今年1月にまとめた報告書を受けて2月の口頭弁論で因果関係や過失などを口頭で認め、和解を申し入れていた。