府の私立学校体罰調査 学校名非公開 NPOが異議 京都
産経新聞 2013年6月4日(火)7時55分配信
府内の私立学校で行われた体罰の調査結果を開示するよう求めた情報公開請求について、府が学校名などを非公開としたことを不服として、NPO法人「行政監視機構」(城陽市、半田忠雄理事長)は3日、府文教課に対して、行政不服審査法に基づく異議申し立てを行った。
体罰の調査は、大阪市立桜宮高校での男子生徒の自殺を受けて、府内の各学校で自主的に行われた。文部科学省が緊急調査を行ったため、府文教課が各学校の報告をとりまとめ、文科省に報告した。
行政監視機構は、5月15日、府に対する各学校からの報告、文科省に対する府の報告を対象に情報公開請求を行った。これに対し、府側は、体罰の発生日や体罰の形態、被害を受けた生徒が所属している学校の種別などは公開したが、学校名や学校の連絡先などは伏せていた。
その理由として、府は、5月29日付の公文書部分公開決定通知書で、「任意の調査であり、公にすることで、回答した学校の競争上の地位、その他正当な利益を害するおそれがあると認められるため」などとしている。
公立学校については、府情報公開審査会は2月、体罰があった学校名や教師の氏名などを公開するよう答申し、府教委は3月から公開している。
行政監視機構は「教育機関なので、公立と私立の区別を付けずに、公益的な視点で判断する必要がある」と話している。(栗井裕美子)