<樟蔭東学園背任>前理事長に懲役2年求刑 大阪地裁
毎日新聞 2013年7月22日(月)21時1分配信
東大阪市の学校法人「樟蔭東(しょういんひがし)学園」を舞台にした背任事件で、学園から3億8000万円の無担保融資を引き出したとして、背任罪に問われた前理事長、高橋努被告(67)の論告求刑公判が22日、大阪地裁(村越一浩裁判長)であった。検察側は懲役2年を求刑、弁護側は執行猶予付きの判決を求め、結審した。判決は9月4日。
起訴状によると、高橋被告は、学園を統括していた元理事の小山昭夫被告(82)=同罪で公判中=と共謀し、2010年3〜4月、小山被告に返済能力がないと認識しながら融資を実行し、学園に損害を与えたとされる。
検察側は論告で、高橋被告が自らの立場を守るため、理事会の決議を経ずに融資に応じたと指摘。文部科学省に虚偽の報告をして不正融資を隠蔽(いんぺい)したとして、「学園の社会的評価を低下させ、刑事責任は重い」と述べた。
高橋被告はこの日、最終意見陳述で「担保がないのに融資を断れなかったことを反省している」と述べた。【内田幸一】
東大阪市の学校法人「樟蔭東学園」(高橋努理事長)が顧問の小山昭夫氏(80)に運営資金から計4億8000万円を不適切融資した問題で、小山氏が07年に学園の人事権を得るために使った2億円は、自身が理事長を務め、民事再生法の適用を受け経営再建中だった学校法人「東北文化学園大学」(仙台市)の運営資金を無断流用したものだったことが分かった。関係者は「経営再建中の学校の資金を私的流用するのは許されない」と批判している。