市と同級生、争う構え 浜松・中2転落死訴訟
@S[アットエス] 2013年8月27日(火)8時23分配信
浜松市の市立中2年の男子生徒=当時(13)=が昨年6月に自宅マンション屋上から転落死したのは同級生からいじめを受けたことによる自殺だったとして、両親が市と同級生ら11人に約6400万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が26日、静岡地裁浜松支部(古谷健二郎裁判長)で開かれた。市と11人は請求の棄却を求める答弁書を提出して争う姿勢を示した。
訴状によると、男子生徒は昨年2月ごろから亡くなるまでの約4カ月間、ほぼ毎日のようにクラスや部活動、塾などで同級生らから悪口を言われたり、体を殴られたりするいじめを受け、自殺に追い詰められたとしている。同校の校長と学級担任、部活動顧問はいじめ行為の予防や制止を十分にしなかったと主張している。
市側は準備書面で、「2012年4月当初から悪口が言われるようになったこと」など一部のいじめ行為は認めたものの、個別の行為や当事者について多くを「不知(知らない)」とした。市側の村松良弁護士は「生徒の事実関係について認否確認を取りながら、順次、事実認定していく」と述べた。11人のうちの8人の代理人を務める鈴木重治弁護士は「一部認める行為もあるが、いじめと自殺の因果関係については争う」とした。
高木伸三浜松市教育長は同日、「応訴したのは司法によって市の責任の所在を明確にし、適正な損害額を決定してもらうため。全部を争うのでなく、これからの審理で事実関係や原告と被告生徒の主張事実を確認する中で一部を認めることも考えられる」とのコメントを出した。
静岡新聞社