教員免許、毎年100人前後が失効と言う現実

教員免許、毎年100人前後が失効と言う現実
ベネッセ教育情報サイト 2013年11月11日(月)11時15分配信

文部科学省は、2013(平成25)年3月末に教員免許の最終更新期間が来た教員の、免許更新状況をまとめた。免許更新講習を受けなかった、または修了できなかったなどの理由で教員免許が失効したのは99人で、対象者全体の0.1%だった。制度創設以来3年連続で同じ割合が続いており、免許失効率の平均的な数字といえそうだ。教育ジャーナリストの斎藤剛史氏が解説する。

■現職教員は10年に1度の免許更新が必要に
教員免許の更新制は2009(平成21)年度から導入された制度で、現職教員は10年に1度の免許更新が必要となりました。そのために大学などが実施する合計30時間の免許更新講習の受講・修了が義務付けられています。この制度は、不適格教員や指導力不足教員を排除するためのものではなく、現職教員の指導力などのリニューアルを図るのが目的です。

■毎年100人前後が失効
2013(平成25)年3月末に更新期限を迎えた国公私立学校の教員9万5919人のうち、校長など更新講習を免除された教員が13.6%、休職中などで更新期限を延長された教員が6.0%、教員免許が失効した教員は0.1%(99人)でした。過去の免許失効者の割合を見ると、制度導入から最初の更新期限の11(同23)年5月末が98人(0.1%)、次の12(同24)年3月末は117人(0.1%)で、毎年100人前後が失効していることになります。

■「うっかり失効」も!?
今年3月末に教員免許が失効した99人の教員のその後を見ると、事務職員など教員免許を必要としない職種に転属したのが37人、退職したのが33人で、残り29人は教員免許の再交付を受けて勤務を継続しています。これは、期限日までに教育委員会への手続きをしなかったなどの、いわゆる「うっかり失効」と思われます。

指導力向上などのため教員が大学などで講習を受けることは意義のあることですが、そのために現行のような複雑で手間のかかる制度が本当に必要かどうか疑問の声もあり、文科省は現在、制度の再検証に着手しています。

出典:[ベネッセ教育情報サイト]

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