兵庫県警の村井紀之本部長が20日、県議会の警察常任委員会に出席し、19日に死亡したことが判明した元県議の竹内英明氏(50)について、「被疑者として任意の調べをしたことはありません。まして逮捕するという話は全くございません」と述べたと複数のメディアが報じた。県警トップが事件性が薄い個別事案に言及することは異例で、SNSでは「信じられない…一体何が隠されてる?」などと兵庫県の”闇”を指摘する声が上がった。 県警トップの本部長には一部の例外を除き、通例は国家公務員1種試験を合格し、警察庁に入庁したいわゆる”キャリア組”の警察官僚が就く。通常では月1度程度開く警察本部の定例会見や都道府県議会での答弁で発言の機会があるが、本部長が自ら発信する機会自体が少ないのが大半。それだけに今回、個別事案について、県議会の委員会の舞台とはいえ、あえて”完全否定”したのは極めてレアケースと言える。 竹内元県議は斎藤元彦知事の”パワハラ、おねだり疑惑”を調査する県議会の百条委員会で委員を務め、疑惑追及の急先鋒(せんぽう)だったが、斎藤知事が県知事再選直後にネットでの誹謗(ひぼう)中傷を理由に辞任。竹内元県議の死を巡っては、政治団体「NHKから国民を守る党(NHK党)」の立花孝志党首が自身のユーチューブチャンネルで「県警から事情聴取を受けていた。(竹内氏が)逮捕される予定だった」などと語っていた。 立花氏は20日になって、自身のX(旧ツイッター)で「警察の捜査妨害になる可能性がある」として、発信を削除したことを投稿。X(旧ツイッター)では「立花さんはこの件についてしっかり説明する必要があるでしょう」「まるで他人事。立花孝志を放置してきた兵庫県警の責任ですよ、これ」「内容が『証言』なので、まだ立花氏の発言、兵庫県警の発言どちらが正しいかの判断は保留にする」などのコメントが並んだ。