「新宿アルタ」の目の前には、スマートフォンで最後の瞬間を収めようと、新宿駅のほうまでずらりと並んでいました。 午後8時半に閉館する新宿アルタ。45年の歴史を刻んできた街のシンボルとの別れを惜しむ声が多く聞かれました。 このアルタの知名度を支えたのが、アルタから生放送していたフジテレビの長寿番組「笑っていいとも!」です。 大型ビジョンには、番組の司会を務めたタモリさんこと森田一義さんが、「私はアルタで30代から60代まで過ごしました」とメッセージを寄せました。 1980年にオープンした新宿アルタ。昭和から平成、そして令和の時代を45年にわたり見守り続けてきました。 1983年、首相経験者が逮捕され、実刑判決が出たロッキード事件。 アルタビジョンに前代未聞の事態が映し出されました。 1995年に海を渡り、日本人メジャーリーガーのパイオニアとして大活躍した野茂英雄さん。登板日には、多くのサラリーマンが足を止め試合に釘付けとなりました。 2011年3月11日に発生した東日本大震災。アルタビジョンが伝える被害状況を大勢の人が見つめました。 ビジョンに映し出されたのは、電車の運行状況。混乱と不安に包まれた街に正確な情報を届けました。 そこから1年後、新宿アルタ前には再び大勢の人が集まり、午後2時46分、静かに黙祷が捧げられました。 2014年3月31日。「笑っていいとも!」の最終回では、タモリさんのイラストが描かれたうちわを持った人や32年間ありがとうという横断幕を持った番組のファンが集まりました。 新元号「令和」の発表を控えた2019年4月1日には、アルタ前で拍手も湧き起こりました。 アルタは、人々とともに時代の変化を見守ってきました。 そんなアルタのすぐ裏にあるレストラン「はやしや」の店長・小林幸雄さんは「『なくなっちゃうんだ』と実感が湧かない。変な感じ。初代のいいとも青年隊が普通に食事をしてくれて、その頃に一番人気だったハヤシライス。中にオムレツが入ったものを結構食べていただいていた印象」と話します。 出演者やスタッフから人気だった、ハヤシライス。今はオムレツを入れずに出しているといいますが、小林さんは「復活してもいいかな。“アルタ裏のオムレツ入りハヤシ”」と話していました。 アルタの目と鼻の先にあるフルーツ店「新宿高野フルーツパーラー」のブランド推進担当部長・秋山智則さんは「よく『いいとも!』の依頼でかご盛りなどを注文いただいた。『いいとも!』のメロディーが流れながら『お届けにあがりました』ということをしました」とエピソードを語ってくれました。 この店で働くフルーツカット担当・森山さんは「笑っていいとも!」への出演経験もあるといいます。 タカノフルーツパーラー・フルーツクチュリエ 森山登美男チーフ: タモリさんがフルーツ好きなので、結構それで呼ばれた。(タモリさんフルーツ好き?)僕が言う前に(説明を)言われたりしてイチゴも食べ方を説明しようとしたら、タモリさんがいきなり「イチゴってこっち(先)からじゃないよね」という話とかね。 10年以上前に番組で披露した職人芸を見せてもらいました。 森山さん: もう年ですね。重いですね。この先むくこともないと思う。ちょっとさみしい思いもある。 45年分の思い出が詰まった新宿アルタ。 「たくさんの人に愛されたこと、私たちにとって、一生の誇りです。45年間本当にありがとうございました」とコメントしています。