6000人の候補者が標的になるとの指摘も、司法関係者の暗殺が横行するメキシコで判事選挙

メキシコでは今年、判事選挙が行われる予定で6000人超が立候補する見通しだ。しかし同国では司法や行政の関係者が相次いで、犯罪組織によるとみられる襲撃を受けており、こうした候補者らが格好の標的になるのではないかと懸念されている。 メキシコ南部ゲレロ州アカプルコの砂浜は牧歌的な感じがするが、この州で公職に立候補するのは危険な行為だ。昨年10月、州都チルパンシンゴで就任間もない市長が殺害され、首を切り落とされた。 昨年行われたメキシコの選挙は、37人の候補者が殺害され、近年で最も多くの犠牲者を招いた。人権団体は、事件の背後には犯罪組織の存在指摘する。 2025年には同国の司法制度改革の一環として、さらに数千人の候補者が連邦判事や治安判事の座を巡って争うことになっており、こうした候補者らが格好の標的になるのではないかと懸念されている。 昨年12月には同州最高裁の元長官が、職場の駐車場で銃撃され死亡した。 われわれはゲレロ州裁判官協会の元会長から話を聞くため、裁判所を訪れたが、警備は手薄だった。 ゲレロ州裁判官協会元会長 「すべての裁判官が、自分たちの下す決定が理由で攻撃を受けるリスクにさらされていることは間違いない」 シンクタンクのまとめによると、メキシコでは2012年以降、地域の司法関係者少なくとも22人が殺害されている。そのうち少なくとも4件は、裁判官の判決が動機であることが判明している。 昨年アカプルコ市長選に出馬したラミロ・ソロリオ氏は、選挙前から殺害予告を受け始めた。ソロリオ氏は州兵の保護を受けたが、そのレベルの警備は持続可能ではないと話す。 アカプルコ市長選に出馬した ラミロ・ソロリオ氏 「すべての候補者に警察をつけるだけの人数はいない。最善策は安全な体制を確立することだ。それにはどうするのか?犯罪者を取り締まるのだ。どうやって?殺人事件を解決し、首謀者を逮捕するのだ。免責をゼロにすることが、最良の保証だ」 メキシコは財政難に直面している上、米国との国境協力に力を入れているため、国家警備隊も疲弊いている。

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