東海学院大アカハラ訴訟:准教授と大学側は争う姿勢--弁論 /岐阜
毎日新聞 2011年2月3日(木)11時33分配信
大学院で准教授からアカデミックハラスメント(アカハラ)を受けたために課程を修了できなかったとして、東海学院大学大学院修士課程2年の女性(25)が同大と当時の心理学科の男性准教授らに2000万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回弁論が2日、岐阜地裁であった。女性側は「臨床心理士のスキルを悪用した」と主張。准教授は「このような訴えが認められるなら大学院教育は成立しない」とし、争う姿勢を示した。
訴状によると、女性は08年4月に入学。必修科目の臨床心理の実習後に行われる准教授からの面接指導を何度も求めたが、准教授は同年9月以降、体調を崩した女性に「お前の病気がうつるだろう」「修士論文の指導が忙しい」などと拒否、女性は10年2月の修士論文の結果発表で認定を受けられず、この准教授から「臨床心理実習のケース数が足りない」と言われたという。
女性は同年3月にうつ病と診断され、翌月から休学している。代理人弁護士は「実習は継続して行われるため中断はできなかった。大学院という小さな世界で、准教授に逆らう行為は難しく、女性は教育を受ける権利を害された」と話す。
一方、大学側の代理人弁護士は「別の教員を選択できたのに、女性がこの准教授に固執した。アカハラではない」としている。【石山絵歩】
2月3日朝刊