和歌山県立医大>医局幹部にも関連病院から高額商品券

和歌山県立医大>医局幹部にも関連病院から高額商品券
毎日新聞 2012年1月14日(土)2時31分配信

 和歌山県立医大(和歌山市)のが関連病院から不透明な現金を受け取るなどしていた問題に絡み、現在の医局幹部らにも、病院から1回数万円の商品券などが盆暮れに提供されていたことが分かった。国公立大でこうした付け届けの受け取りを自粛する動きが広がる中、同医局での恒常的な金品贈与の実態が浮かんだ。

 和歌山県内の複数の病院幹部が毎日新聞の取材に、中元や歳暮として5万円程度の商品券などを医局幹部に贈っていると証言した。また、元医局員は「病院幹部から08年ごろ、教授らに5万円の商品券やたる詰めの高級梅酒を贈ったと聞いた」と明かした。

 この医局の准教授は取材に、1回数万円の商品券を複数回受け取ったと認め「全部(の病院から)は来ない。そんなに多くない」と釈明。他の医局員についても「ボーナスみたいな形でもらっているかもしれない」と話した。現教授(56)は取材に応じていない。

 関連病院から医学系の国公立大教授らへの付け届けを巡っては、弘前大で05年に商品券などの受領が明らかになった。岩手県でも02年度、県立23病院が岩手医大など8大学1病院に商品券や特産物など計912万円分を贈っていたことが発覚。いずれも受け取りをやめている。

 医師でジャーナリストの富家孝さんは「こうした付け届けは極めて日本的な悪習。国公立大は公金を交付されており、付け届けを廃止すべきだ」と指摘している。【藤田剛、酒井祥宏、近藤希実】

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