「柔道授業」安全徹底を 文科省が教員向け手引き書
産経新聞 2012年3月9日(金)11時55分配信
4月から中学校の体育で必修化される「武道」の柔道について保護者らから安全面への不安の声が出ていることを受け、文部科学省は9日、全国の教育委員会に対し、授業での安全が徹底されるよう指導者や指導計画の見直しを要請するとともに、教員向けに安全管理の手引書を作成、全国の中学校に配布した。
平野博文文部科学相は閣議後の会見で「安全性が一番大事で、万が一事故が起こったときの医学に対する知識も指導者には持ってもらう。しっかり準備態勢を整えた上で実施してもらいたい」と述べた。
文科省は通知の中で、指導者や指導計画、畳などの施設設備、事故が発生した場合の対応について点検、見直しを行うよう求め、問題があった場合、改善されるまでは、授業の開始を遅らせることも要請した。
安全管理の手引きでは、多くの生徒が初心者であることを踏まえた段階的な指導を求めた上で、「頭を打たない、打たせない」ための受け身の練習の徹底を強調。学習指導要領に例示された投げ技と安全指導のポイントを写真を明示しながら解説した。万一の場合に備え、骨折や脱臼のほか、首や頭部への負傷の対象法についても説明した。
手引書は保護者にも見てもらえるよう文科省のホームページにも掲載する。
柔道の指導方法をめぐっては、部活動などで子供を亡くした保護者らでつくるる「全国柔道事故被害者の会」(小林泰彦会長)が文科省に事故防止の徹底を求める要望書を提出している。