「職員室で待機せよ」…入学式で不起立“予告”教諭に異例の職務命令 大阪市

「職員室で待機せよ」…入学式で不起立“予告”教諭に異例の職務命令
産経新聞 2012年4月10日(火)11時4分配信

 教職員らを対象とした国歌起立条例が制定された大阪市で、3月の卒業式で国歌斉唱時に起立しなかった住吉区内の小学校の女性教諭(55)に対し、市教委が、入学式当日は職員室での業務を命じる異例の職務命令を出していたことが9日、分かった。

 教諭が入学式でも起立しない意志を示したことを受けた措置。橋下徹市長も、不起立の意志が固い教職員については「大人の知恵で対処すればいい」として退席を容認するような発言をしていたが、ほかの教諭は全員起立斉唱の職務命令を受けており、整合性の面から論議も呼びそうだ。

 市教委によると、この教諭の学校の入学式は6日に行われたが、教諭は5日、校長の意志確認に「起立しません」と回答。起立を命じる職務命令には「保留します」と答えた。さらに、校長は当日の担当業務について「職員室での電話対応」を命じたが、教諭が反発。このため、市教委として職員室での業務の職務命令を出したという。

 大阪市立小、中学計429校では、3月の卒業式でこの教諭のほか、2人の中学教諭が起立しなかったが、3〜9日に行われた入学式では、うち1人は式に出席して起立。1人は式場外での業務にあたり、結果的に全校で不起立教員はなかったという。

 市教委は、小学教諭への職務命令について「起立するよう指導を続けるが、子供のための入学式であり、会場で不起立を出さないようにと考えた」と説明している。

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