生徒自殺、ずさんな教員聞き取り…愛知の県立高

生徒自殺、ずさんな教員聞き取り…愛知の県立高
読売新聞 2012年7月21日(土)8時53分配信

 昨年6月に起きた愛知県立高校2年の男子生徒(当時16歳)の自殺をめぐり、同校と県教育委員会の実施した「初期調査」が不十分だったことが、関係者への取材でわかった。

 文部科学省は、児童・生徒が自殺した場合、学校などに対し、できる限り全教員から迅速に聞き取り、再発防止につなげるよう求めているが、ごく一部の教員からしか聞き取りを行っていなかった。県教委はその後、第三者による調査委員会を設置、自殺の背景などを調べている。

 関係者によると、野球部に所属していた男子生徒は昨年春、「部活をやめたい」と家族に話すようになり、同年5月下旬から部活を休むようになった。翌6月初旬には、部活に来ないことに気付いた顧問から呼び出しを受けたが、応じず、2日後に練炭自殺した。遺書は見つかっていない。

 昨年6月、文科省が県教委などに通知した文書によると、児童・生徒の自殺があった場合、学校はできる限り全教員と、可能な範囲で自殺した子とかかわりの深い在校生から話を聞くよう求めている。

 しかし、同校が聞き取りをしたのは、70人以上の在籍教員のうち、担任と部活の顧問の2人だけ。その後、県教委も追加調査したが、対象は担任ら2人に加え、校長と教頭、部活の別の顧問2人の計6人にとどまっていた。

 読売新聞の取材に、県教委は「できる限り全教員から話を聞くように指示したが、学校側は自殺の事実が校内に広がることを懸念し、わずかな教員からしか聞き取らなかった」と説明。追加調査については、「遺族が『そっとしておいてほしい』という意向を持っていると考え、本人をよく知る教員の範囲にとどめた」としている。同校では、野球部顧問の1人が、別の生徒への体罰を行っていたことが調査の過程でわかり、県教委が昨年度、文書訓告の処分を行っている。

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