大津市 いじめ自殺 8月22日分

「自殺の原因を考察」 いじめ外部調査委の要綱案説明 滋賀
産経新聞 2012年8月22日(水)7時55分配信

 大津市で昨年10月に市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、男子生徒へのいじめの実態調査に向けて市が設置する外部調査委員会の要綱案が、21日の市議会総務常任委員会で市の担当者から説明された。

 要綱案では、委員会の目的を「いじめの事実を含め学校で起きたことを明らかにし、自殺の原因を考察すること」と明記。「訴訟に関する事項は対象にしない」や「再発防止に関する提言も行う」ことなどが盛り込まれた。

 委員からは「家庭など学校以外を調査せずに再発防止の提言ができるのか」「警察の捜査が始まっているのに調査委で調べる必要があるのか」などと疑問の声が相次ぎ、市の担当者が「学校以外のことは裁判の進行の中で明らかになる。警察は犯罪性の捜査が主で、調査委の趣旨とは異なる」と述べるなど、対応に追われた。

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生徒100人聴取終える 県警「いじめ目撃」と回答
京都新聞 2012年8月22日(水)8時29分配信

 大津市で昨年10月に自殺した中学2年の男子生徒=当時(13)=がいじめを受けていた事件で、滋賀県警が同じ中学校の在校生に実施している聞き取り調査のうち、いじめを目撃した生徒への聞き取りが21日までにほぼ終了した。捜査関係者への取材で分かった。
 県警は、同級生3人から男子生徒が受けたとされるいじめについて捜査しており、生徒と同学年だった3年生約300人全員と、卒業生や2年生の一部を対象に、7月下旬から聴取を行ってきた。市教委が行った全校アンケートでは約100人の生徒が「いじめを目撃した」と回答しているが、県警は立件の可否を判断するのに必要な目撃証言を得るための生徒への聞き取りをほぼ終了したという。
 県警はすでに、男子生徒が昨年9月の体育大会で受けた暴行容疑について、目撃した生徒を現場に集めて実況見分を行っている。県警は今月中に3年生全員の聞き取りを終える方針で、今後、同級生3人を事情聴取し、生徒の遺族から告訴された暴行や脅迫など六つの容疑について立件の可否を判断する。

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教育長入院公務に余波 大津・襲撃事件1週間
京都新聞 2012年8月22日(水)8時39分配信

 大津市の中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題に絡む澤村憲次教育長(65)襲撃事件は、発生から22日で1週間を迎えた。澤村教育長は現在も入院中で、市教委の「いじめ対策検討委員会」の初会合が遅れるなど、公務にも影響を及ぼしている。大津市役所には防犯カメラが設置されるなど安全管理が見直され、滋賀県警も関係者への警護を強化している。
 市教委は、いじめの未然防止策や、ずさんだった対応などを検証する検討委を9日に設置。初会合を21〜22日で調整していたが、遅れる見通しになった。
 計画通りに来年1月に報告書をまとめるには今月内の開催が必要といい、葛野一美教育部次長は「澤村教育長の公務復帰を待たずに開催となるかもしれない」と話す。
 事件後の15〜21日、教育長らを狙うとした脅迫の電話やはがきが5件相次いだ。市教委に寄せられる、いじめへの対応の批判や抗議は電話とメールで計約1万6661件(20日現在)に上る。15日以降に届く電話やメールには「ざまあみろ」「よくやった」など、容疑者に賛同するような内容が多いという。
 市教委などへの脅迫が相次いだため県警は7月13日以降、市役所や中学校長宅、いじめたとされる同級生宅などを1日数回、パトカーで巡回してきた。
 ところが今月15日朝、澤村教育長は市教委の教育長室で大学生(19)に襲われ、頭の骨の一部を骨折するけがを負った。現在、県警は入院中の澤村教育長を24時間態勢で警護。また、校長宅など関係先への巡回数を増やすなど、警備態勢も強化している。
 市では、市教委の入り口などに防犯カメラを設置。増員した警備員が来訪者に記名を求めるなど防犯対策に乗り出している。

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「暴力は息子の本望ではない」大津の教育長襲撃 男子生徒の父親がメッセージ
産経新聞 2012年8月22日(水)12時24分配信

 大津市の中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、大津市教委の澤村憲次教育長がさいたま市の男子大学生(19)=殺人未遂容疑で逮捕=に襲撃された事件にからみ、男子生徒の父親が21日、「暴力に訴えることだけは行わないで。息子の本望ではありません」と呼びかけるメッセージを、裁判支援のため代理人弁護士が開設したホームページに掲載した。

 父親は襲撃事件を「大変悲しく思う」とし、「大学生にも何らかの痛烈な思いがあったのは分かるが、暴力に訴えても何の解決にも至らない」と諭した。

 一方で、「息子に対する『いじめの暴力』の存在を知ったとき、相手を殴ってやりたい衝動に駆られた」「そういった行動に出た場合に息子は喜ぶのだろうかと必死に考えた」と、揺れた心境を吐露。

 その上で、「暴力に訴えていた場合には恐らく今回の『いじめ』の問題や『学校や教育委員会の現状や隠ぺい体質』の問題がここまで明るみにされることはなかった」とつづっている。

 また、「今回の問題に対する意見として、お住まいの地域の学校や教育委員会、市や県に対して再度見直しを図っていただくという訴えや行動を起こしていただければ、真の解決に結びついていく」とも呼びかけている。

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大津・中2自殺:学校以外の要因、外部委で調査を 市議会委で指摘 /滋賀
毎日新聞 2012年8月22日(水)15時56分配信

 大津市議会総務常任委員会が21日開かれ、自殺した市立中学2年の男子生徒に対するいじめの実態を調査する外部調査委員会の設置について、市側が説明した。「学校で何が起きたのか明らかにし、自殺の原因を考察する」とする調査委の設置目的に対し、議員から「学校以外の家庭要因も調査するべきだ」との意見が相次いだ。
 4人の議員から「学校だけの調査では再発防止につながらない」「遺族との訴訟関連事項を調査から除外するのは矛盾だ」と疑問が集中。北村善隆総務部長は「係争中であり、自殺直後の調査と異なる。学校以外のことに踏み込むと因果関係に及ぶ。事実が結果に対してどれだけ責任を持つかは、裁判所が判断すること」と述べた。
 また、市は調査委の設置経費が旅費や臨時職員の雇用などで397万円になると報告した。【千葉紀和】

8月22日朝刊

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大津市教育長襲撃:1週間 警備、本格強化へ カメラ設置、入室者記名も /滋賀
毎日新聞 2012年8月22日(水)15時56分配信

 大津市の沢村憲次教育長(65)が15日朝、教育長室で私立大の男子学生(19)=殺人未遂容疑で逮捕=にハンマーで頭を殴られ負傷した事件から21日で1週間。市教委に対する不穏な電話やメールは依然続いており、市は襲撃があった市教委や市長室の出入り口に防犯カメラを設置するなど、警備体制の本格的な強化に乗り出した。【千葉紀和】
 襲撃事件後、市は庁舎内の警備員を3人増員。市教委事務局への通路と市長室前に警備員を配置した。だが、その後も沢村教育長や中学の校長を名指しして「爆弾を仕掛ける」などとした脅迫電話が続発。市教委の姿勢を批判する電話やメールも15〜20日で954件あり、その多くが襲撃を擁護したり当然視する内容だったという。
 このため、市は庁舎警備の強化を決定。21日朝、県警の助言も得て、市教委事務局への通路と市長室前に防犯カメラを設置した。20日からは、この2カ所への入室者全員に入口で記名を求めている。
 さらに、2カ所ある市教委への通路のうち容疑者が使ったとみられる隣の建物からの通路を封鎖するなど、建物全体の出入口を限定することも検討を始めた。ただ、警備を優先すれば「市民に開かれた市役所との両立をどう図るか悩ましい」(管財課)面もあり、慎重に協議している。
 新学期を控え、子どもたちや学校関係者を危険から守る備えも急務になっており、市教委は男子生徒が通っていた中学への防犯カメラの増設も検討する。
 市教委への電話やメールは20日現在、「自殺の練習」などアンケート回答の非公表が報道された7月4日以降では計1万6661件に上っている。

8月22日朝刊

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