広島市安佐南区の県道のループ橋で昨年11月、ダンプカーが乗用車と衝突して2台とも道路外に転落し、乗用車の2人が死亡、1人が意識不明の重体となった事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われたダンプカーの運転手の無職男(59)の初公判が21日、広島地裁であった。被告は「多分そういうことだと思います」と起訴内容を認めた。 検察側は冒頭陳述で、被告は当時働いていた運送会社の業務で土砂を運搬中だったとし「下り坂でスピードが出過ぎているのに気付いてギアを落として減速させようとしたが、ギアが入らなかった」と指摘。フットブレーキを踏んでいなかったことも明らかにした。 被告は被告人質問でギアが入らなかった理由について「体が思うように動かなかった」と説明。「ブレーキと間違えてアクセルを踏んでいたと思う」とも述べた。 起訴状などによると、被告は昨年11月12日午前8時35分ごろ、同区上安町のループ橋でダンプカーを規制速度(時速30キロ)を上回る同50~60キロで運転。左カーブで対向車線にはみ出して乗用車に衝突させ、運転していた同区の男性(80)と助手席の妻(76)の2人を死亡させ、後部座席の娘(50)に意識障害などのけがを負わせた疑い。 広島県警は昨年12月、同法違反(危険運転致死傷)容疑で逮捕したが、広島地検は運転操作ミスが引き起こした事故と判断し、法定刑の軽い過失致死傷の罪に切り替えて起訴した。