<東京女子医大病院>小児に使用禁止鎮静剤 5年で63人に
毎日新聞 2014年6月5日 21時22分配信
東京女子医大病院(東京都新宿区)で今年2月、2歳男児が手術後に鎮静剤を投与され死亡した医療事故について、東京女子医大の高桑雄一医学部長と男児の手術を執刀した吉原俊雄教授、山口直人教授が5日、東京都内で記者会見した。3人は病院側が小児への使用を禁止する鎮静剤を男児に過大に投与したと発表。その禁止薬を複数の子供に使っていたことも明らかにし、大学側も5年間で63人に使用したことを認めた。この事故は警視庁が業務上過失致死容疑で捜査している。
3人は、事故後に教授会が関係者から事情聴取した結果に基づいて発表した。死亡した男児は首のリンパ管の手術後、集中治療室(ICU)で人工呼吸中に動いて呼吸用の管が抜けるのを防ぐため、鎮静剤「プロポフォール」を4日間投与された。この薬剤は人工呼吸中の小児への使用を禁じられているが、担当の麻酔医はそれを知りながら家族への説明もなく投与。成人に換算すると、通常の2.5〜2.7倍の量が使われたという。
担当した麻酔医は教授会の調査に対し、禁止薬を使った理由について「薬の効果が良いため管理しやすいと思った」と説明しているという。会見した3人は男児の死因について「病理解剖の担当によると鎮静剤の副作用を示す症状も出ており、カルテに記載された自然死ではなく異状死だ」と指摘した。
また、この男児と同様の鎮静剤の使用例を大学が調査したところ、2009年1月から昨年12月までに15歳未満の使用が63人あった。死亡例はないが、重篤な副作用が出たケースがあったかどうかは不明だという。
東京女子医大は死亡事故の内部調査結果を近く公表するとしている。3人は会見した理由を「大学の理事長や病院長に早く説明責任を果たすよう要請したが反応がない。学長や遺族の了解を得た上で発表すべきだと考えた」と説明。一方、大学は、「あくまで私的な会見。学内の内部統制の混乱が社会に出たことをおわびする」とのコメントを出した。【桐野耕一】