女性職員、園児を放り投げ頭蓋骨骨折 保育園に京都市が改善勧告
産経新聞 2014年7月24日 9時58分配信
京都市伏見区の民営認可保育園「春日野園」で6月に体操教室の時間中に5歳の男児が頭を打ち、頭蓋骨を折る重傷を負った問題をめぐり、市は23日、男児を放り投げたとされる30代の女性職員が投げ出し行為とケガとの因果関係を認めたことを明らかにした。これまで女性職員はケガとの因果関係を認めていなかった。男児の保護者は警察への被害届の提出を検討しているという。市は同園の運営体制の問題点も指摘し、同日付で改善勧告を行なった。
同園に対し、1〜11日に実施した特別監査をもとに、市議会教育福祉委員会で報告した。
報告書などによると、6月13日午前10時〜10時40分、体操教室で男児を含む複数の園児がふざけて棚に入った。用務員の30代女性職員が棚で寝転ぶ園児たちを園庭に放り投げたところ、置いてあった太鼓か樹脂製のカラーボックスに男児が頭をぶつけたとされる。その後3時間放置された男児は市内の病院に運ばれたが、頭蓋骨の陥没骨折と診断された。
女性職員は保育士資格を持っておらず、当初は保護者に「つまずいて転んだと思う」と説明。同園も投げ出し行為を隠していた。問題自体は17日に市への匿名の通報で発覚した。
また、報告書では同園の運営体制の問題点も指摘。離職率が高く保育士が不足し、無資格者による保育が常態的に行なわれていたという。園長の親族とされる女性職員は、実際は半日勤務のところを終日勤務とするなど不適切な勤務実態があったことも指摘した。
市は責任の明確化や再発防止策の策定を求め同園に対し改善勧告を行なった。市保健福祉局は「安心安全であるべき保育所で命に関わる事態が起きたのは由々しきこと。問題の背景にある園の運営も含め抜本的な改善を求めていく」としている。(吉国在)