福井大准教授「殺してと頼まれた」 勾留理由開示で嘱託殺人主張
福井新聞2015年4月1日(水)08:30
教え子の女子大学院生を絞殺した疑いで逮捕された福井大大学院特命准教授前園泰徳容疑者(42)=福井県勝山市=は31日、福井簡裁であった勾留理由開示の法廷で「(院生に)殺してくださいと言われた」と陳述。殺害した行為自体は認めた上で、嘱託殺人だったと主張した。
殺害されたのは東邦大大学院生菅原みわさん(25)=同市。学部生時代に同大非常勤講師だった前園容疑者の指導を受け、前後して同市に移住し、研究活動を行っていた。
同容疑者は法廷で「『殺してください、もう無理です』と頼まれた」と述べた。「嘱託を受け入れて死に至らしめてしまった」とも話したが、受け入れた経緯については一切触れなかった。
また、「菅原さんや、ご遺族に本当に申し訳ない」と謝罪の言葉を口にした。
立川忠裁判官は容疑の詳細について「12日ごろ、勝山市村岡町浄土寺の一本橋北詰めに止めた菅原さんの軽乗用車内で、殺意を持って首を腕で絞め、窒息死させた」と明らかにした。その上で「証拠隠滅や逃亡の恐れがある」と勾留理由を開示した。
弁護側は逃亡の恐れはないとして、勾留取り消しを求めた。弁護側によると、同容疑者は取り調べに対して黙秘を続けているという。
福井大広報室によると、年度ごとの更新となっている前園容疑者の大学職員としての身分は31日付で自動的に取り消された。1日から職員ではなくなる。
勾留理由開示は、容疑者や弁護人からの請求に基づき、公開の法廷で、裁判官が勾留理由を明らかにする手続き。