先の全日本柔道連盟『柔道の安全指導〔2011年第3版〕』には、2003年以降の重大事故86件が独自に分析されていて、今回の事故に関連する重要な知見がいくつか示されている。そのうち、2つを手短に紹介しよう。
一つが、技の種類である。全柔連の分析では「大外刈り」で重大事故が多く起きている。大外刈りは真後ろに倒されるため、後頭部をそのまま打ちつけてしまう。今回のケースも、生徒は大外刈りをかけられて亡くなった。柔道事故に詳しい者は「またか」と感じたことだろう。
もう一つが、時期である。事故は5月から8月の間に集中している。全柔連の安全指導啓発動画では、「4月に入部して受け身の習得が不十分なときに無理な稽古をおこなったことが考えられます」と説明されている。今回は、まさに入部して間もない柔道初体験の生徒が、命を落としている。