鹿児島大学贈収賄 教授と業者社長を追起訴
MBC南日本放送 2020/12/17(木) 19:35配信
鹿児島大学の教授が納入業者から金品を受け取っていたとされる贈収賄事件で、すでに逮捕・起訴された教授と納入業者社長が、以前にも同じ手口で贈収賄を行っていたとして、鹿児島地方検察庁は17日、2人を追起訴しました。
収賄の罪で追起訴されたのは、鹿児島大学共同獣医学部の教授・窪田力被告(55)です。また、贈賄の罪で、鹿児島市の納入業者「松窪動薬資材」の社長・松窪清一郎被告(51)が追起訴されました。
この事件は今年1月から9月までの間、大学教授の立場を利用して、窪田被告が動物用医薬品などの納入で、松窪動薬資材を選定する便宜を図った見返りに、松窪被告と女性従業員が現金64万円やパソコンなどを渡したとして逮捕・送検されたものです。窪田被告と松窪被告は今年10月に起訴され、女性従業員は処分保留で釈放されていました。
その後、県警は、3人が逮捕容疑より前の2018年6月から去年11月にかけて、同様の手口で20回にわたり現金あわせておよそ34万円やパソコン1台を受け渡ししたとして追送検していました。
17日、鹿児島地検は窪田被告と松窪被告を追起訴し、鹿児島区検察庁は女性従業員を略式起訴しました。検察は、3人が起訴内容を認めているかについて、明らかにしていません。窪田被告と松窪被告の初公判は今月21日に開かれます。
業者への発注の見返りに現金を受け取ったなどとして収賄の疑いで逮捕された鹿児島大学の教授の男の身柄が9日、鹿児島地方検察庁に送られた。男は業者を自分で選んで発注できる大学の制度を悪用していたという。
カーテンで隠され、鹿児島地方検察庁に身柄が送られたのは、7日、収賄の疑いで逮捕された鹿児島大学共同獣医学部の教授、窪田力容疑者(55)。警察によると、窪田容疑者は2020年1月頃から9月頃までの間、動物用の医薬品などを販売する、松窪動薬資材から研究などに使用する薬などを調達。見返りとして20数回にわたりあわせて現金約64万円やパソコンなど7点を受け取った疑いがもたれている。
鹿児島大学では教員が50万円以上の発注をする場合、担当の事務職員に必要な物を依頼し、事務職員が業者の選定と契約を行う。しかし、「教員発注」という制度があり1件あたりの契約金額が50万円未満であれば教員が自ら業者を選んで契約を結ぶことが出来る。警察によると、窪田容疑者は松窪動薬資材との取引の際、この制度を悪用していたという。
この事件を巡っては窪田容疑者に現金を渡したなどとして贈賄の疑いで松窪動薬資材を経営する松窪清一郎容疑者(51)と従業員の竹宮紀子容疑者(49)も逮捕されている。2人の身柄も9日鹿児島地方検察庁に送られた。
窪田容疑者は少なくとも数年前からこの会社と取引を行っていることから、警察は余罪を含めて捜査する方針だ。
物品購入で便宜を図った見返りなどで業者から現金計約64万円などを受け取ったとして、鹿児島県警は7日、鹿児島大共同獣医学部教授、窪田力容疑者(55)=鹿児島市草牟田=を収賄容疑で逮捕した。動物用医薬品小売会社「松窪動薬資材」社長の松窪清一郎(51)=同市吉野=と、従業員の竹宮紀子(49)=同市下荒田=の両容疑者も贈賄容疑で逮捕した。
窪田容疑者の逮捕容疑は、2020年1〜9月ごろ、二十数回にわたり、大学付属動物病院の物品調達で便宜を図った見返りなどとして、業者側から現金計約64万円とノートパソコンなど7点(販売価格計約37万円)を受け取ったとしている。県警は3人の認否を明らかにしていない。
県警によると、窪田容疑者は私的な飲食費などの領収書と引き換えに研究室で現金を受け取っていたという。松窪容疑者の会社は牛の精子や卵子を採取する機器などを扱っており、窪田容疑者が一人で納入業者を決めて決済していたという。
鹿児島大のホームページなどによると、窪田容疑者は臨床獣医学が専門で、クローン牛の染色体を巡る遺伝子レベルの研究などに携わってきた。【白川徹】