2億円を医薬品関連会社に流出か…日大背任事件、ペーパーカンパニー?

【独自】2億円を医薬品関連会社に流出か…日大背任事件、ペーパーカンパニー?
読売新聞オンライン 2021/9/11(土) 5:00配信

 日本大学付属病院の建て替え工事を巡り、東京地検特捜部が背任容疑で同大などを捜索した事件で、同大の関連会社役員が、工事の設計業務費の一部にあたる約2億円を東京都内の医薬品関連会社に流出させた疑いのあることが関係者の話でわかった。この会社は大阪市の医療法人理事長が全株式を保有しているが、特捜部は設計業務に関わりのない「ペーパーカンパニー」とみており、医療法人側も捜索した。

 関係者によると、同大は医学部付属板橋病院(東京都板橋区)の老朽化に伴う建て替え工事を計画し、昨年、設計業務を二十数億円で都内の設計会社に発注した。契約に関する交渉は大学側から委託を受けた同大の関連会社「日本大学事業部」(世田谷区)が担当したが、役員が設計会社側に約2億円を医薬品関連会社の口座に送金するよう求めたという。

 医薬品関連会社は2014年8月に設立。登記上は都内の賃貸マンションの一室に本店が置かれているが、同じマンションの住人らは「人の出入りは1年ほど見ていない」と話した。

 特捜部は8日、関連会社役員が所有するマンションの部屋(杉並区)を背任容疑で、田中英寿・日大理事長の自宅(同)や日大本部(千代田区)などを関係先として捜索。9日には医療法人側の捜索も実施した。

 医薬品関連会社への資金流出について、医療法人グループ本部は「取材は受けない」としている。

 一方、設計会社の代表取締役は取材に対し、特捜部の事情聴取を受けたことを認めた上で、「不正には関係していない」と話した。日大広報課は「東京地検が捜査中で、事実関係を把握していないことからコメントは差し控える」としている。

 田中理事長は捜索が行われた8日以降、取材に応じておらず、10日朝も報道陣の問いかけに無言だった。

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