「教員、決まり守っていれば」 野々市・中1女子いじめ自殺から2年 命日、父が心境

「教員、決まり守っていれば」 野々市・中1女子いじめ自殺から2年 命日、父が心境
北國新聞社 2023/2/12(日) 5:01配信

  ●学校の対応批判、追加調査訴え

 複数の同級生からいじめを受けていた野々市市布水中1年の女子生徒=当時(13)=が、2021年2月11日に自殺してから2年がたった。父親(52)は11日、自宅で取材に応じ「教員らがいじめ対応マニュアルの決まりを守っていれば、こんなことには、ならなかった」と学校の対応をあらためて批判し、追加調査の必要性を訴えた。

  ●当時の校長、自宅訪れ謝罪

 父親によると、11日午前、粟貴章市長、大久保邦彦市教育長、布水中の松田英樹校長、市教委職員、生徒が亡くなった当時の校長や教頭、学年主任の計7人が自宅を訪れ、祭壇に手を合わせた。

 当時の校長が「申し訳ありませんでした」と父親に対して初めて謝罪の言葉を述べた。当時、いじめ行為をほとんど認知しなかった学校側の対応について、当時の校長は「校内の会議で決まった。よく覚えていない」などと答えたという。

 父親は取材に対しては、「市の第三者調査委員会の報告書では、教員がいじめ対応マニュアルに従わなかった理由が分からない。教員たちの対応を検証しなければならない」と強調。市教委には教員たちの処分や、いじめの中心的な存在とされた当時の生徒8人に対し、報告書の内容を伝えるべきだと主張した。

 父親はこの2年間を振り返り、「怒りもあるし、悔しい思いもあるし、この期に及んでごまかす人もいっぱいいる。全て解決しても娘は戻ってこない。それが一番つらい」と沈痛な表情を浮かべた。

 祭壇には生徒の制服や書き初め、好きだった漫画が飾られた。父親は娘との動画を見返しながら、「スイミングやピアノ、書道を習い、体は小さかったがスキーも上手で、何でもこなす子だった。努めてその場を明るく和ませようとしてくれた」と思い出を語った。

 ★野々市市布水中いじめ自殺 2021年2月11日、布水中1年の女子生徒=当時(13)=が自宅で自ら命を絶った。生徒は同級生から20年9月〜21年1月に無視や悪口などの嫌がらせを受けたと、学校に相談していた。学校は20年11月と21年2月2日、いじめは解消したと市教委に報告していた。

 市の第三者調査委員会は今年2月2日、公表した調査報告書で、少なくとも同級生10人以上から29件のいじめがあったと認定。いじめや学校の不十分な対応が自殺の原因になったと指摘した。生徒の父親は、当時の教員らの対応について、検証が不十分として市教委に追加調査を求めている。

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