東京医大の不正入試問題、2審も賠償命令

東京医大の不正入試問題、2審も賠償命令
産経新聞 2023/5/30(火) 19:02配信

東京医科大の不正入試問題を巡り、性別を理由に不利な扱いを受けたとして、受験して不合格となった女性16人が大学側に慰謝料など計約1億1340万円の支払いを求めた訴訟の控訴審判決が30日、東京高裁であった。増田稔裁判長は1審東京地裁判決を変更し、一部の賠償額を増額。同大に対し、元受験生15人へ計約2080万円を支払うよう命じた。

賠償を求めていたのは、平成18〜30年度に受験し不合格となった女性16人。

増田裁判長は昨年9月の1審判決に続き、同大による得点調整は法の下の平等を保障する憲法14条の趣旨に反し、「自らの意思で受験校を選択する自由を侵害するもの」と指摘した。

その上で、元受験生16人中15人について、1審と同じく受験1回につき一律20万円の受験慰謝料を認定。加えて、得点調整がなければ合格していたなどの事情のある人に対する不合格慰謝料を1審の1人当たり100万〜150万円から200万〜300万円と増額し、15人中4人が該当するとした。

一方、残る1人については民法上の時効が成立しているとして訴えを退けた。

1審判決は元受験生28人が計約1億5230万円を求めたのに対し、27人に計約1820万円の支払いを命じた。判決を不服として16人が控訴していた。

医学部入試を巡っては他校でも同様の不正が相次いで発覚。元受験生が順天堂大側を相手取った訴訟では東京地裁が昨年5月に賠償を命じ、その後、確定している。

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