群馬県の女子高校生が自殺問題 県いじめ再調査委員会が報告書を答申「直接的な因果関係を肯定的にとらえられない」としつつも「大きな影響与えた可能性否定できない」

群馬県の女子高校生が自殺問題 県いじめ再調査委員会が報告書を答申「直接的な因果関係を肯定的にとらえられない」としつつも「大きな影響与えた可能性否定できない」
TBS NEWS DIG Powered by JNN 2024/2/24(土) 14:11配信

2019年、群馬県で女子高校生が亡くなり、遺族がいじめを訴えている問題で、県の「いじめ再調査委員会」がきょう、「いじめが生徒の自殺に大きな影響を与えた可能性までは否定できない」とする報告書を知事に答申しました。

この問題は、2019年2月、県立高校2年の女子生徒(当時17歳)が、電車にはねられ死亡し、遺族がいじめを訴えたものの、県の第三者委員会が、いじめは自殺の主要な要因ではないとしたものです。

その後、「群馬県いじめ再調査委員会」がさらなる調査を行っていましたが、きょう、報告書を知事に答申しました。

報告書によりますと、「再調査委員会も、いじめと自死との直接的な因果関係を肯定的にとらえることはできなかった」とした上で、「仲間からの悪口の一部は『いじめ』と認定でき、本件生徒の自死に大きな影響を与えた可能性までは否定できないと考える」などとしています。

また、学校側の対応については、「生徒が教職員にいじめの相談をするなど、学校が異変に気付く機会はあった」「学校の対応が適切であれば生徒の自死を回避できた可能性は十分にあった」と厳しく指摘しました。

平成31年2月に自殺した群馬県立勢多農林高(前橋市)2年だった伊藤有紀さん=当時(17)=をめぐり、群馬県は18日、いじめ防止対策推進法に基づいて、県いじめ再調査委員会に再調査を諮問すると発表した。委員会の開催日や答申の見通しなどは未定。
再調査は、遺族が今年3月26日に県に出した要請書の中で「調査は尽くされていない」として要望していた。また、要望に応じて、県はいのちのミュージアム群馬実行委員会の山田穂子代表を臨時委員に委嘱することも決めた。
自殺をめぐり、県教育委員会の第三者委員会がいじめとの因果関係などを調査し、昨年11月30日、「自死の要因としては主要なものではない」とする報告書をまとめ県教委に提出した。

 前橋市で2月、いじめを訴えるメモを残し、県立勢多農林高2年の伊藤有紀さん(17)が市内の踏切で電車にはねられ死亡した問題で、同校の福島実校長らが12日、有紀さん宅を訪れ、学校側が行った調査の中間報告をした。
 有紀さんの父親は「これから調査をするの一点張りで、詳細な説明もなかった。担任の先生も来ていない。一応謝罪はあったが、本当に『すいません』という気持ちがある言葉だとは思えない」と学校への不信感をあらわにし、第三者委員会の設置を求めたことを明らかにした。
 県教育委員会は遺族の意向を受け、第三者委を設置する方針。
 有紀さんは学校でいじめがあったことをうかがわせる二十数枚のメモを残しており、メモの内容は高校の調査にも提供したという。
 福島校長は説明後、報道陣に「いくつかの問題については、さらに詳細な状況を調査する必要があることが確認できた。作文や学級日誌など、悩みやいじめに関わるような記載などがないかも確認している」とコメントを読み上げた。県教委と両親によると、学校は教職員や生徒から聞き取りを進めている。

 前橋市内の踏切で2月に電車にはねられ死亡した群馬県立高校2年の女子生徒(17)が、「もうつかれた」「耐えられない」などと書かれたメモを残していたことが県教育委員会や県警への取材でわかった。県教委などはいじめを苦に自殺した可能性がある、とみて調べている。
 女子生徒は2月1日午後7時前、前橋市大胡町の上毛電鉄踏切で電車にはねられ、死亡した。残された数十枚のメモには、「先生は私の言葉を信じてくれなかった。ネットで悪口を言われているのは本当なのに」などと記されていた。
 父親(63)によると、女子生徒は入学した数カ月後から周囲の生徒に嫌がらせを受けていたという。「いじめる生徒がいる」と家族に話し、体調不良も訴えた。教員から呼び出されて個室で厳しく指導され、泣きながら帰宅することもあったという。
 亡くなる1カ月ほど前から体調が悪化。事故当日は、家族が付き添って病院で受診。帰宅後に姿が見えなくなったという。
 父親らは県警と学校にいじめがあったと相談。学校は友人らに聞き取りすると同時に、県警も関係者に話を聞くなどして、調べている。県教委は「学校による調査報告を待っている段階。家族の意向も踏まえ、第三者委員会の設置も検討したい」としている。

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