刑事手続きIT化法案、衆院本会議で審議入り 法相「負担軽減図る」

捜査や公判の刑事手続きをIT化する規定を盛り込んだ刑事訴訟法改正案が27日、衆院本会議で審議入りした。現在は紙で作成している捜査書類や令状、訴訟記録を電子化する。鈴木馨祐法相は趣旨説明で「手続きの円滑化、迅速化、国民の負担軽減を図る」と訴えた。 改正案では、捜査機関が逮捕や捜索に必要な令状をオンラインで請求し、裁判所が電子データで発付する「電子令状」が可能になる。捜査機関が裁判所の令状に基づき、電子データの保管者にデータをオンラインで提出させる「電磁的記録提供命令」も設ける。 電子データ化された捜査情報や裁判資料の漏えい防止対策について、鈴木法相は「情報流出によって関係者の権利・利益が侵害されることがないよう特別な配慮が必要。万全を期すべく関係機関と検討している」と述べた。 改正案によると、公判でのビデオリンク方式の利用について、被害者参加制度や病気で出廷が難しい証人の尋問でも認める。被告は病気や障害で出廷が困難といった場合に限り、ビデオリンク方式を使った遠隔出廷が可能になる。【三上健太郎】

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